公開日:2026/8/6

最終更新日:2026/8/6

推し活グッズの商品開発に使える素材とは?エンボスフィルムの可能性

推し活グッズの商品開発に使える素材とは?

近年、アクリルスタンドやトレーディングカード、缶バッジ、ぬいぐるみなど、さまざまな推し活グッズがあります。

推し活グッズの魅力は、キャラクターやデザインだけで決まるものではありません。

手に取ったときの質感、光が当たったときの見え方、写真に写したときの印象など、使用する素材や表面の仕上がりも商品の印象を左右します。

当社は、プラスチックフィルムの表面に凹凸を付ける「エンボス加工」を行っています。

これまでは、離型性、滑り性、密着防止、光拡散、マット化など、主に工業用途のフィルムを加工してきました。

一方、先日「推し活EXPO」を見学し、グッズを購入するだけでなく、組み合わせる、飾る、持ち運ぶ、撮影する、共有するといった楽しみ方が広がっていることを知りました。

そこで、当社が保有するエンボス柄を、推し活グッズやその周辺商品にも活用できないかと考えています。

本記事では、当社の実際の加工柄をもとに、推し活用途の可能性を紹介します。

エンボスサンプルの問い合わせ用バナー

推し活グッズは、購入した後も楽しまれている

アクリルスタンド、トレーディングカード、缶バッジ、ぬいぐるみ、フィギュアなどの推し活グッズは、購入して終わるものではありません。

部屋や棚に飾る、ケースに入れて持ち歩く、カフェや旅行先で撮影する、ほかのグッズと組み合わせて自分らしくアレンジするなど、購入後にもさまざまな楽しみ方があります。

また、推し活はライブやイベントなどの特別な日だけでなく、文房具、収納用品、インテリアなど、日常生活の中にも広がっています。

商品開発においても、何を作るかだけではなく、
・どこで、どのように使われるか
・推しをどのように見せたいか
・持ち運びや撮影がしやすいか
・自分らしく組み合わせられるか
といった使用場面まで考えることが重要です。

素材表面の違いで、見え方や触り心地が変わる

同じ材質や色の素材でも、表面の状態によって印象は変わります。

例えばプラスチックフィルムでは、平滑で光沢のある表面は、透明感や華やかさを出しやすい一方で、照明やカメラの光が強く映り込むことがあります。

微細な凹凸を付けた表面では、光沢を抑えたり、光を広げたり、見る角度によって反射を変化させたりできます。表面の触り心地を変えることも可能です。

エンボス加工は、主役である推しを引き立てる背景、パッケージの特別感、ディスプレイの光の見え方などを設計する手段の一つになり得ます。

エンボスフィルムとは

エンボスフィルムとは、表面に凹凸を付けたプラスチックフィルムです。

当社では、柄が彫刻されたエンボスロールを使用し、フィルムに熱と圧力を加えることで、ロールの形状を転写しています。

当社は100種類以上の柄を保有しており、細かなマット・梨地柄から、目で確認できる立体柄まで加工しています。

エンボス加工によって、次のような表現や機能を検討できます。
・光沢を抑えたマット感
・見た目や触感で分かる凹凸
・光を広げる光拡散
・フィルム同士の密着抑制
・光の反射を利用した意匠表現
・印刷、着色、蒸着との組み合わせ

当社の実際の柄から考える、推し活用途

多様なエンボス柄

当社が保有する既存柄の中から、推し活グッズと相性がありそうな表現を紹介します。

マット・梨地柄:推しを引き立てる落ち着いた背景

微細なマット・梨地柄を施すと、平滑フィルムよりも光沢を抑えた見え方になります。

アクスタやフィギュア、ぬいぐるみなどを飾る際、背景の反射が強すぎると、主役よりも背景が目立ってしまう場合があります。

マット・梨地柄は、背景に適度な質感を加えながら、推しを引き立てる用途に活用できる可能性があります。

想定している用途は、アクスタやフィギュアの背景シート、推し棚の敷き材、ぬい撮り用シート、パッケージの内装材などです。

反射の見え方は、柄や照明、撮影条件によって異なるため、使用環境に合わせた確認が必要です。

蒸着フィルム×エンボス柄:細かな反射によるきらめき

蒸着フィルムにエンボス加工を施すと、平滑な蒸着フィルムとは異なる細かな反射が生まれます。

装飾柄を印刷しなくても、光が当たることで表面にきらめきを加えられるため、限定品や記念商品の特別感を表現する用途と相性がありそうです。

例えば、グッズパッケージ、アクスタや缶バッジの台紙、ライブをイメージした背景、店舗ディスプレイの装飾材などが考えられます。

アルミ蒸着フィルムへのエンボス加工
金蒸着フィルムや銀蒸着フィルムへのエンボス加工品

光拡散に適した柄:光を明るく見せたり、柔らかく見せる

フィルム表面の凹凸によって、入射した光を広げられる場合があります。

LEDなどの光源と組み合わせることで、光源をそのまま見せるよりも、柔らかい見え方をつくれる可能性があります。

アクスタ用LED台座、推し棚の間接照明、フィギュアケース、撮影ボックス、光るパッケージなどが候補です。

ただし、光の広がり方は、柄だけでなく、基材の透明性、LEDとの距離、光源の配置にも左右されます。実際の製品構成での確認が欠かせません。

エンボスフィルムで光拡散

↑東京ミッドタウンでのクリスマスイルミネーションイベントに当社エンボスフィルムが使用されている様子の写真です。エンボスフィルムの凹凸により、光源を明るく柔らかく拡散することを狙っています。

特に検討したい3つの分野

アクスタ・ぬい・フィギュアの背景

背景や敷き材は主役ではありませんが、色や質感によってディスプレイ全体の印象が変わります。

マット柄で落ち着いた背景をつくる、立体柄でアイキャッチ力とユーザーインターフェースを向上させる、アラレ柄×蒸着で華やかな光を加えるといった使い分けが考えられます。

背景を交換式にすれば、推しの衣装、季節、作品の場面、推しカラーに合わせてアレンジする商品にも展開できそうです。

グッズパッケージや台紙

商品本体を大きく変更しなくても、パッケージや台紙の表面を変えることで、通常品との差を表現できる可能性があります。

印刷、着色、蒸着とエンボス加工を組み合わせれば、色だけでは出しにくい質感や光の変化を加えられます。

LED・ライトを使用したディスプレイ用品

アクスタ、フィギュア、推し棚などでは、LEDを使用したディスプレイ用品も見られます。

光拡散に適したエンボスフィルムを活用できれば、LEDの粒が直接見える状態を抑えたり、柔らかな光を演出したりできる可能性があります。

実際に使う方の声を聞きながら考えたい

当社は、エンボス加工の専門会社ですが、推し活グッズの専門会社ではありません。

そのため、加工会社だけで用途を決めるのではなく、実際に商品を企画・販売する事業者や、グッズを使用する方の声を聞くことが重要だと考えています。

推しをきれいに見せたい。傷を付けずに持ち運びたい。好きな色や世界観で飾りたい。写真に残して共有したい。

こうした使い方や気持ちを理解しながら、どの程度のマット感、立体感、きらめきが適切なのかを検討していきたいと考えています。

商品化には試作と評価が必要

エンボスフィルムを実際の商品に採用する際は、見た目だけでなく、製造工程や使用環境も確認する必要があります。

主な確認項目は次のとおりです。
・フィルムの材質と厚み
・印刷面・蒸着面とエンボス面の位置
・凹凸による絵柄や文字への影響
・接着、ラミネート、抜きなどの後加工
・数量と加工ロット

当社では、素材と用途を確認したうえで、既存柄を使用したサンプル加工や試作をご相談いただけます。

エンボスサンプルのリンクページ用バナー

まとめ

推し活グッズは、購入して終わるものではなく、組み合わせる、飾る、持ち運ぶ、撮影する、共有するという体験へ広がっています。

こうした体験の中には、エンボス加工を活かせる場面があると考えています。

当社の既存柄では、例えば次のような表現を検討できます。
・マット・梨地柄による落ち着いた質感
・規則的な立体感による表面表現
・アラレ柄×蒸着による細かなきらめき
・光拡散に適した柄による柔らかな光

当社では、完成した用途を一方的に提案するのではなく、グッズ企画や商品開発に携わる皆様と実物を確認しながら、適した素材や柄を一緒に検討したいと考えています。

推し活グッズ向けの素材・試作について相談する

当社では、100種類以上の既存柄を使用したエンボス加工のサンプル・試作に対応しています。

次のような企画段階のご相談も承ります。

・使用予定のフィルムにエンボス加工ができるか確認したい
・立体柄やアラレ柄の実物を見たい
・印刷・蒸着フィルムと組み合わせたい
・背景材やディスプレイ材として評価したい
・LEDと組み合わせた光の見え方を確認したい

エンボスサンプルの問い合わせ用バナー

監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾 

合同樹脂工業社長写真

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて製造業を中心とした経営支援業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。 
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。 
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。  

お問い合わせ