公開日:2025/5/14
最終更新日:2026/9/24
離型フィルム・剥離フィルムとは?離型紙との違いや“エンボス離型セパレータ”による機能性アップの秘密を徹底解説

先日のブログ「PETフィルムとは?特徴やメリット、エンボス加工事例、環境対応をご紹介!」でPETフィルムの基本と活用についてご紹介しました。
※まだご覧になられていない方はぜひ上記リンクからご確認ください。
今回は、PETフィルムと密接に関連する「離型フィルム」について、分かりやすく解説します。
離型フィルムとは、「剥離フィルム」「セパレータフィルム」「セパレーターフィルム」「セパレーター」と呼ばれることもあり、 粘着材料や樹脂、ゴムなどが「くっつかないようにする」ためのフィルムです。
・材料がフィルムに貼り付いてしまう
・離型処理をしても剥がれにくい
・シリコン汚染を避けたい
このような課題を解決するため、近年はエンボス(凹凸)を利用した離型フィルムが多くの工程で使用されています。
本記事では
・離型フィルムの種類
・離型紙との違い
・エンボス離型フィルムの特徴
をわかりやすく解説します。
【自己紹介】
合同樹脂工業は、PETやポリイミドなど高剛性フィルムへのエンボス加工を手掛けている会社です。素材の特性とエンボス形状の組み合わせにより、製品や工程の課題解決に貢献します。


離型フィルムを使っているのに、思ったほど剥がれない。
搬送時に密着してしまう。
そのようなお悩みがある方は、まずはこちらの動画をご覧ください。
剥離性が不足する原因と、エンボスによる改善の考え方をわかりやすく解説しています。
離型フィルムは、粘着剤や塗料が他の素材に付着するのを防ぐためのフィルムで、乾燥や外的要因から保護する役割を持ちます。用途に応じて剥がしやすさや耐久性が求められ、自動車の塗装保護から医療用まで、さまざまなシーンで使用されています。
最近では高耐熱性が要求される場面で離型フィルムが必要とされるケースも増えてきており、ポリイミドフィルムやフッ素フィルムなど耐熱性に優れた素材を活用することも多くなっています。
離型性の改善やエンボス加工をご検討中の方は、以下をご覧ください。

離型フィルムは液晶パネルの製造過程で、スクリーンの保護や層の間に挟まれ使用されることがあります。 また、タッチパネルの製造過程でも、保護シートとして使用されることがあります。
離型フィルムは食品の包装用途でも使用されています。製品が包装材料と密着することを防ぎ、取り扱いを容易にします。
また医薬品のパッケージやブリスター包装でも使用され、薬品がフィルムに貼りつくのを防ぎます。

カーボンファイバーやガラス繊維などの複合材料を成型する際、成型品を型に貼り付くことなく取り出すために離型フィルムを使用します。また金型と製品がくっつかないようにすることで金型を保護する効果もあります。

ゴム成型時や樹脂成型時に高温で加硫する際、ゴムが工程紙に強くくっつく性質があります。工程紙(キャリアフィルム)に離型フィルムを使用することで、成型後にゴムや樹脂を工程紙から簡単にはがせるようになり、作業効率が向上します。
粘着面を保護し、使用するまでの間に他の物質とくっつかないようにするための紙のことを指します。
セパレーターや剥離フィルムとほぼ同じ意味で使われます。
製品を使う際に剥がすことで、粘着面が露出するので、ラベル、ステッカー、医療用テープなどに幅広く使用されています。

剥離フィルムの一種で、粘着剤や接着剤の表面を保護するために使用されます。
主に、製造過程や輸送中に物質が他の物質とくっつかないようにする役割を果たします。
用途に応じて、紙やプラスチック、シリコンコートされたものなど、様々な素材が使われます。
片面に粘着剤が塗布された紙のことです。 通常、裏紙(セパレーター)と組み合わせて使われ、裏紙を剥がすと粘着剤が露出して、様々な面に貼ることができます。
ラベルやステッカー、封緘テープなどの製品によく使われています。
なお、離型フィルムは業界や用途、基材の違いによって、「剥離フィルム」「セパレーター」「離型紙」など異なる呼び方をされることがあります。
実際には、紙基材かフィルム基材か、離型処理の種類、求められる耐熱性や清浄性などによって使い分けられており、名称が異なっていても近い役割を指している場合があります。用途に応じて、素材や塗工内容を選定することが重要です。
呼び方 |
一般的な意味 |
主な役割 |
|---|---|---|
離型フィルム |
樹脂フィルムを基材とした離型材 |
樹脂・粘着剤などから剥がしやすくする |
剥離フィルム |
離型フィルムとほぼ同じ意味で使用される名称 |
対象物から剥がす |
セパレーターフィルム |
部材同士を隔てるフィルム |
密着・接触・転写を防ぐ |
離型紙 |
紙を基材とした離型材 |
粘着面の保護や剥離 |
離型フィルムと剥離フィルムは、実務上ほぼ同じ意味で使われる場合があります。一方、セパレーターフィルムは部材同士を隔てる役割を示す名称で、必ずしもすべてが離型処理品とは限りません。
一般的で多用途に使われています。表面にシリコンコーティングが施されており、粘着剤がくっつきにくいです。
高い耐薬品性と耐熱性を持ちます。シリコン樹脂の粘着剤にもくっつきにくいです。
シリコーンを使用しない、またはシリコーン以外の離型成分を使用した離型材です。紙基材・フィルム基材のいずれもあり、シリコーンの移行を避けたい用途などで検討されます。適合性は相手材や使用条件によって確認が必要です。
ワックスコーティングが施されており、シリコンやフッ素よりも安価です。食品包装などに使われます。
PETなどのプラスチック基材を用いた離型フィルムは、強度、寸法安定性、透明性が求められる用途に適しています。電子部品の保護や高機能粘着材の工程用資材など、紙粉を嫌う工程やクリーン性が求められる分野で使用されることが多くあります。
特にフィルム基材のセパレーターは、紙製セパレーターと比較して発塵を抑えやすく、精密用途との相性がよい点が特長です。
エンボスセパレータとは、フィルム表面に凹凸形状を形成し、その形状を利用して相手材との接触状態を調整するフィルムです。
平滑なフィルムとは異なる接触状態をつくることで、過度な密着の抑制、剥がしやすさ、滑り性、ハンドリング性などの改善を検討できます。
ただし、得られる効果はエンボス形状だけで決まるものではありません。使用する基材、相手材、温度、圧力、接触時間などを含め、実際の使用条件で評価する必要があります。
フィルム表面に凹凸を形成すると、平滑な相手材との実際の接触面積を抑えられる場合があります。この性質を利用し、相手材との過度な密着を抑え、剥がしやすさを調整する用途があります。
剥離性への効果は、エンボス形状、相手材の柔らかさや粘着性、温度、圧力、接触時間などによって異なります。また、相手材が凹凸へ入り込む条件では、期待した効果が得られない場合もあります。
そのため、実際に使用する相手材と組み合わせ、剥離状態、圧痕、残留物、相手材表面への影響などを確認します。
合同樹脂工業のエンボス加工は、主に熱と圧力によって基材自体へ凹凸を形成する加工です。加工工程で離型剤を新たに塗布せず、基材と表面形状の組み合わせによって離型性や密着抑制を検討できます。
離型性を持つ基材と適切なエンボス形状を組み合わせることで、シリコーンなどの離型コーティングを使用しないセパレーターを検討できる場合があります。
また、塗工層を設けない構成では、塗工層由来の剥がれ、滑落、相手材への移行などを避けたい用途でも選択肢となります。
基材や製品構成によっては、素材構成を増やさない表面設計や、モノマテリアル設計との両立を検討しやすくなります。ただし、実際のリサイクル可否は、基材、印刷、蒸着、接着層、積層構成、回収方法などを含む製品全体で判断する必要があります。

当社ハードエンボス加工は、2軸延伸PETやポリイミドのような高剛性の素材をはじめ、PEEKフィルム、フッ素フィルム、ポリカフィルム、PENフィルム、PBTフィルム、OPP、CPP、アクリルフィルムなどにも豊富な加工実績がございます。
またフィルム製のセパレータ―のため、紙製のセパレーターで発生する懸念がある紙粉や異物の混入といった紙製セパレータの懸念がなく、クリーンルーム対応や精密電子部材等の工程にも適しています。
強靭な剛性やガスバリア性といった優れた特徴を持つポリエステル。当社が最も加工している素材になります。主に樹脂への転写用途や装飾用途、PETの強靭性や耐熱性を活用した多様な工程紙用途などで使用されており、「PETセパ」と呼ばれることが多いです。

当社では、シリコン離型処理や非シリコン離型処理がされたフィルムにエンボス加工することも可能です。
「離型処理はされているが少しだけ剥離力が足りない」「もう少し剥離を軽くしたい」といった課題を解決できます。
ポリイミドフィルムは耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、機械的強度に優れており、通常300°C以上の温度に耐えることができます。当社はポリイミドフィルムにもエンボス可能です。
右の画像はPIフィルムへエンボス加工を施したフィルムとなります。
弊社では100種類の柄でカットサンプルの在庫があり、無償でご提供可能です。
また、ロールサンプルのご用意もございますため、お気軽にお問い合わせください。
離型課題の解決に向けては、素材や使用方法により最適な柄パターンが異なります。
まずはサンプルにてテストを実施し、結果に応じた柄パターンの選定やエンボス設計(深さなど)の調整が必要となります。
当社では離型課題の解決に適したパターンを10種類以上保有しています。
半世紀にわたりエンボス加工一筋で培った知見から、最適なパターン・条件・使用方法についてご提案いたします。
技術検討に役立つ技術資料をご用意しています
エンボス加工の特徴、対応フィルム、表面形状による機能付与、試作の進め方など、技術検討・社内説明に使える資料をご用意しています。
☑エンボス加工・受託製造
☑PET・PIなどの対応素材
☑サンプル・小ロット試作
はい、一般的には同じ意味で使われます。「セパレータ」は長音を省略した表記で、「セパレーター」は長音を含む表記です。業界やメーカーによって表記が異なりますが、粘着面や樹脂などを保護・分離するためのフィルムを指す点では共通しています。離型フィルム、剥離フィルムと近い意味で使われることもあります。
主な違いは「基材」「耐久性」「清浄性」です。
・離型紙:紙基材+シリコン処理。低コストだが、紙粉・シリコン移行の懸念あり。
・離型フィルム:PETなどの樹脂基材。高耐久・低発塵でクリーン用途に適する。
特に半導体など電子材料・高機能粘着用途では、離型フィルムが選ばれるケースが増えています。
当社ではPETなど高剛性・高耐熱のエンジニアリングプラスチックフィルムにもエンボス加工できるため、工業用途でもご使用いただいております。
エンボスセパレータとは、フィルム表面に凹凸を形成し、その形状を利用して相手材との接触状態を調整するフィルムです。過度な密着の抑制や剥がしやすさの改善を検討できますが、効果は基材、相手材、温度、圧力、接触時間などによって異なります。実際の使用条件に近い状態で、剥離状態や圧痕、残留物、相手材への影響を確認する必要があります。
離型フィルムは、粘着剤や樹脂、ゴムなどとの貼り付きを調整するために使用されるフィルムです。紙基材と比較して発塵を抑えやすい場合がありますが、清浄性や耐久性は基材・表面処理・使用環境によって異なります。
エンボスセパレータでは、表面の凹凸を利用して接触状態を調整し、過度な密着の抑制や剥がしやすさの改善を検討できます。適した基材・柄・加工条件は用途によって異なるため、実際の相手材と使用条件で評価することが重要です。
当社のエンボス加工は、PETやポリイミドをはじめとする高剛性フィルムへのエンボス加工を得意としており、用途に応じた多様な課題解決をご提案しています。
製品の信頼性を高めたい、工程を効率化したい、特殊な素材に適した離型材を探している──そんな課題を少しでもお持ちの方は、ぜひ一度、合同樹脂工業の技術をご検討ください。
素材の特性とエンボスパターンの組み合わせによって、貴社の製品・工程に適したエンボス柄や試作方法をご提案します。
本記事が皆さまの製品開発や工程改善のヒントとなれば幸いです。
その他のブログについてもぜひご覧ください。→ブログ一覧
本記事は、半世紀以上にわたりエンボス加工専業で取り組んできた合同樹脂工業の技術知見をもとに解説しています。
半世紀以上の経験から、ご要望に応じた素材や柄、使用方法をご提案いたします。
サンプルのご依頼も可能ですので、是非お気軽にご相談ください。
監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて製造業を中心とした経営支援業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。
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