公開日:2026/8/21
最終更新日:2026/8/21
FRPとは?材質・特徴・種類・用途をわかりやすく解説

FRPは、浴槽や建材、自動車、船舶、タンクなど、さまざまな製品に使用されている材料です。
「FRPという名前は聞くものの、普通のプラスチックと何が違うのか分からない」
「GFRPやCFRPにはどのような違いがあるのか」
と疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
FRPとは、Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略です。
樹脂にガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を組み合わせることで、樹脂単体では得にくい強度や剛性などを持たせた複合材料です。
この記事では、FRPの材質や種類、特徴、用途などの基本をわかりやすく解説します。
また後半では、FRP製品の表面に凹凸や意匠を付与する方法の一つとして、エンボスフィルムを利用した形状転写についてもご紹介します。
FRPとは、樹脂をガラス繊維や炭素繊維などで補強した複合材料です。
イメージとしては、
樹脂 + 強化繊維 = FRP
と考えるとわかりやすいでしょう。
樹脂は軽量で成形しやすく、腐食しにくいといった特徴があります。一方で、用途によっては樹脂だけでは十分な強度や剛性を確保できない場合があります。
そこで、強度の高い繊維を組み合わせることで樹脂を補強するのがFRPです。
「FRP樹脂」と呼ばれることもありますが、厳密にはFRPは樹脂単体ではありません。
一般的な樹脂とFRPの違いを簡単に整理すると、以下のようになります。
一般的な樹脂 |
FRP |
|
|---|---|---|
構成 |
主に樹脂 |
樹脂+強化繊維 |
強度・剛性 |
樹脂の種類に依存 |
強化繊維によって高められる |
重量 |
比較的軽い |
軽量性を活かしながら補強できる |
特性 |
比較的均一 |
繊維の種類・方向などによって変化 |
代表例 |
PP、PE、PETなど |
GFRP、CFRPなど |
FRPは単に「強い樹脂」というより、樹脂と繊維を組み合わせて必要な性能を持たせた材料と捉えるのがポイントです。
FRPを構成する主な材料は、
・マトリックス樹脂
・強化繊維
の2つです。
マトリックス樹脂とは、FRPの母材となり、強化繊維をまとめる役割を持つ樹脂です。
代表的なものには、
・不飽和ポリエステル樹脂
・エポキシ樹脂
・ビニルエステル樹脂
・フェノール樹脂
などがあります。
どの樹脂を使用するかによって、耐熱性、耐薬品性、成形性などが異なります。
樹脂を補強するために使用されるのが強化繊維です。
代表的なものとして、
・ガラス繊維
・炭素繊維
・アラミド繊維
などがあります。
使用する繊維によって、強度、剛性、重量、コストなどが変わります。
そのため、同じFRPでも用途によって材料構成は大きく異なります。
FRPは、使用する強化繊維によっていくつかの種類に分けられます。
代表的なものが、GFRP、CFRP、AFRPです。
種類 |
強化繊維 |
主な特徴 |
主な用途 |
|---|---|---|---|
GFRP |
ガラス繊維 |
性能とコストのバランスが良い |
建材、住宅設備、タンク、船舶など |
CFRP |
炭素繊維 |
軽量・高強度・高剛性 |
航空機、自動車、スポーツ用品など |
AFRP |
アラミド繊維 |
耐衝撃性などに特徴 |
防護材、航空宇宙用途など |
GFRPは、Glass Fiber Reinforced Plasticsの略で、ガラス繊維を使用したFRPです。
FRPの中でも幅広く使用されており、
・浴槽
・建材
・タンク
・船舶
・自動車部品
など、さまざまな製品に採用されています。
性能とコストのバランスを取りやすいことも特徴です。
CFRPは、Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略で、炭素繊維を使用したFRPです。
軽量でありながら高い強度や剛性を得やすいため、
・航空機
・自動車
・自転車
・ゴルフクラブ
・釣り竿
など、軽量化や高性能化が重視される製品に使用されています。
一方、一般的なGFRPと比較すると材料コストが高くなる傾向があります。
AFRPは、アラミド繊維を使用したFRPです。
軽量で、耐衝撃性などを活かした用途に使用されます。
GFRPやCFRPと比べると使用例は限定的ですが、求める性能によって選択されるFRPの一つです。
FRPの代表的な特徴は、軽量性を活かしながら強度や剛性を高められることです。
樹脂を繊維によって補強することで、樹脂単体では対応しにくい構造部材などにも使用できます。
ただし、実際の強度は、
・使用する樹脂
・強化繊維
・繊維の方向
・繊維の含有量
・成形方法
などによって異なります。
FRPは金属のように錆びることがないため、水分や腐食が問題となる環境でも使用されています。
たとえば、
・浴槽
・水槽
・タンク
・浄化槽
・船舶
などです。
使用する樹脂によっては、薬品に対する耐性を活かした用途にも使用されます。
FRPにはさまざまな成形方法があり、複雑な形状や大型製品にも対応できます。
浴槽や船体、カバー、パネルなどの比較的大きな製品にFRPが使用されている理由の一つです。
FRPでは、樹脂や繊維の種類、繊維の方向などを変えることで、目的に合わせた材料設計ができます。
そのため、「FRPならすべて同じ性能」というわけではありません。
用途に応じて適切なFRPを選定することが重要です。
FRPには多くのメリットがある一方、いくつか注意点もあります。
FRPの価格は、使用する繊維や樹脂、成形方法によって大きく異なります。
特に炭素繊維を使用したCFRPなどでは、一般的な樹脂やGFRPよりも材料コストが高くなる場合があります。
FRPは、繊維の方向によって強度などが変わる場合があります。
そのため構造部材として使用する場合は、どの方向から力がかかるかを考慮して設計する必要があります。
熱硬化性樹脂を使用したFRPは、一度硬化すると加熱しても再び溶融しません。
そのため、一般的な熱可塑性プラスチックと比較すると再成形が難しく、リサイクルが課題となる場合があります。
一方で、FRPの再資源化や、熱可塑性樹脂を使用した繊維強化材料の研究・活用も進められています。
FRPはさまざまな分野で使用されています。
比較的身近なのが住宅設備や建材です。
たとえば、
・浴槽
・ユニットバス
・浄化槽
・屋根材
・パネル
・カーポート部材
などがあります。
耐水性や耐食性、形状の自由度などが活かされています。
自動車や鉄道では、外装・内装部品などにFRPが使用されます。
軽量化が重要な用途では、GFRPに加えてCFRPが採用されるケースもあります。
ボートなどの船体にもFRPは広く使用されています。
耐水性や耐食性に加えて、大型形状を一体で成形しやすいこともメリットです。
水や薬液などを扱うタンク、配管、容器などにもFRPが使用されています。
金属の腐食が課題となる環境では、FRPが材料候補となる場合があります。
高い強度と軽量性が求められる分野では、特にCFRPが利用されています。
航空機のほか、自転車、ゴルフクラブ、テニスラケット、釣り竿などにも使用されています。
FRPには複数の成形方法があります。
成形方法 |
概要 |
|---|---|
ハンドレイアップ法 |
型の上に強化繊維を配置し、樹脂を含浸させて硬化する |
RTM法 |
型内に強化繊維を配置し、液状樹脂を注入して成形する |
SMC成形 |
シート状の成形材料を金型内で圧縮成形する |
BMC成形 |
バルク状の成形材料を金型内で成形する |
このほかにも、スプレーアップ法やフィラメントワインディング法、引抜成形などがあります。
製品の形状、生産数量、要求性能などによって適切な成形方法が選択されます。
FRPというと、軽量性や強度、耐食性などの材料性能が注目されがちです。
一方、実際の製品では、FRP表面をどのように仕上げるかも重要になる場合があります。
たとえば建材や住宅設備では、
・光沢を抑える
・表面に模様を付ける
・すりガラスのような外観にする
・目隠し性を持たせる
・表面に細かな凹凸を付ける
といった要求があります。
表面に意匠や機能を付与する方法には、塗装やコーティング、金型による賦形などさまざまな方法があります。
その選択肢の一つが、エンボスフィルムを使用した表面形状の転写です。
エンボスフィルムとは、表面にあらかじめ凹凸形状を付けたフィルムです。
FRPの成形・硬化工程でエンボスフィルムを樹脂表面に密着させることで、条件によってはフィルム側の凹凸形状をFRP表面へ転写できます。
合同樹脂工業では、FRPを含む各種樹脂への形状転写用途にエンボスフィルムが採用されています。

エンボスフィルムは、FRP製の浴室床の表面デザインを賦形するための転写用工程フィルムとして採用された実績があります。
エンボスフィルムの凹凸形状を工夫することで、上記画像のような比較的大きな凹凸を樹脂表面へ転写することも可能です。
本事例では、高さ約1.2mmの凹凸形状を転写しており、意匠性に加えて、凹凸形状によって流路を形成する機能を狙っています。
住宅用カーポートのFRP部材では、エンボスフィルムの表面形状をFRPへ転写する用途で採用された実績があります。
表面をすりガラス調にすることで、透明感を残しながら、
・目隠し性
・遮光性
・デザイン性
を持たせています。

その他、機械装置盤等のFRP製品についても、硬化時にエンボスフィルム形状を転写することで、意匠性や触感、防汚性、光拡散性、滑り性等を付与する用途があります。
エンボスフィルムを使用した樹脂への形状転写については、下記ページで詳しく紹介しています。
FRPは「Fiber Reinforced Plastics」の略で、日本語では「繊維強化プラスチック」と呼ばれます。
樹脂とガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を組み合わせた複合材料です。
一般的なプラスチックは主に樹脂から構成されています。
FRPは樹脂に強化繊維を組み合わせることで、樹脂単体よりも強度や剛性などを高めています。
FRPは繊維強化プラスチック全体を指す名称です。
CFRPは、その中でも炭素繊維を強化材として使用したFRPを指します。
つまり、CFRPはFRPの一種です。
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂などが代表的です。
使用する樹脂は、用途や必要な耐熱性・耐薬品性などによって異なります。
成形方法や条件によりますが、FRP表面に凹凸や模様を付与することは可能です。
方法の一つとして、エンボスフィルムの表面形状をFRPへ転写する方法があります。
合同樹脂工業では、FRPを含む各種樹脂への形状転写実績があります。
FRPは、樹脂とガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を組み合わせた繊維強化プラスチックです。
使用する樹脂や繊維によってさまざまな種類があり、
・軽量性
・強度
・耐食性
・形状の自由度
などを活かして、住宅設備、建材、自動車、船舶、タンク、航空機など幅広い用途で利用されています。
また実際のFRP製品では、材料性能だけでなく、表面の意匠や機能が重要になるケースもあります。
合同樹脂工業では、プラスチックフィルムへのエンボス加工を行っており、エンボスフィルムの凹凸形状をFRPなどの樹脂表面へ転写する用途にも対応しています。
・FRP表面に模様や凹凸を付けたい
・表面の意匠性や機能性を検討している
・使用している樹脂に凹凸を転写できるか試したい
といった場合は、お気軽にご相談ください。
監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて製造業を中心とした経営支援業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。
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