公開日:2025/12/15

最終更新日:2025/12/15

【展示会レポート】機能性フィルム展2025にご来場いただきありがとうございました!

離型フィルムのブログタイトル

平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

2025年12月12日(金)に産業創造館にて開催されました
「接着・粘着技術展2025」では、ご多用の中、
弊社ブースへお立ち寄りいただき誠にありがとうございました。

会場では直接ご挨拶の機会をいただき、
弊社製品・技術にご関心をお寄せいただけましたこと、
社員一同心より御礼申し上げます。

当日は限られたお時間の中でのご案内となり、
十分なご説明が行き届かなかった点もあったかと存じます。

今回のブログでは
会場にてご紹介いたしました「ハードエンボス」につきまして、
技術や性能を写真付きでご紹介いたします。ぜひご参照ください。

展示会当日の写真とブースの様子

粘着接着技術展2025ブース写真
粘着接着技術展2025ブース写真

今回の展示会では、以下のテーマにフォーカスしてご紹介しました。

■加工可能な素材の対応範囲
■剥離・離型性を高めるエンボス加工(セパレーター用途)
■環境に配慮した加工法

当日は、ハードエンボスで対応できる素材のバリエーションに加え、微細な凹凸加工による機能付与、環境負荷低減につながる加工アプローチなどを中心にご説明いたしました。

当社がエンボス加工できる素材について

エンボス加工で対応可能な素材の写真

弊社では、高剛性・耐熱性に優れたフィルム素材へのエンボス加工を得意としております。特に、以下のような素材で加工実績がございます。

・PETフィルム(二軸延伸PETなど)
・PENフィルム
・ポリカーボネートフィルム(PC)

・フッ素フィルム(ETFE、PTFE、PVDF)

これらの素材は、電子部品や工業用途など、高温環境下でも形状を保持する必要がある用途に多く採用されています。

エンボス加工においても、形状のシャープさや安定した凹凸再現が求められるため、これら素材の特性を活かしながら、高精度で安定したエンボスパターンの付与を実現しております。 

各素材へエンボス加工したサンプル

高耐熱基材へのエンボス加工
高耐熱フィルムへのエンボス加工写真
高耐熱フィルムへのエンボス加工写真
高耐熱フィルムへのエンボス加工写真

当社では、PET・PEN・PEEKなどの高耐熱基材に対応したハードエンボス加工を強みとしています。耐熱性・寸法安定性が求められる基材に対しても、独自条件設計により深さと均一性を両立した凹凸形成が可能です。ロールtoロールでの安定加工により、機能性付与(離型性・滑り性・光拡散など)と意匠性を実現し、電子部材や産業用途など高要求分野で多数の実績があります。

厚み250μPETへの加工も可能

当社のエンボス加工では、250μmといった極厚のフィルムに対しても対応可能です。 
 
通常、厚みのあるフィルムは加熱・加圧時の成形性や寸法安定性の管理が難しく、加工には高度な技術が求められます。当社では、素材特性や形状に応じた最適な加工条件を設定することで、厚みのあるフィルムでも高精度な凹凸パターンを安定して再現することが可能です。 

250μPETフィルムへのエンボス加工品
複層フィルムや印刷基材への加工も可能

当社では、単層フィルムに限らず、複層品や印刷済み基材へのエンボス加工にも対応しております。

層構成やインク特性、密着状態を考慮した加工条件を設計することで、層間剥離や印刷ダメージを抑えながら凹凸を付与することが可能です。

意匠性を保持したまま、触感付与や機能性向上を実現し、加飾用途から産業用途まで幅広いニーズにお応えします。

蒸着フィルムへのエンボス加工品
アルミ蒸着フィルムへのエンボス加工品
蒸着フィルムへのエンボス加工写真

 当社では、蒸着処理が施されたフィルムに対してもエンボス加工が可能です。 
蒸着フィルムの金属光沢とエンボスによる立体感を組み合わせることで、高級感や視覚的インパクトのある加飾フィルムを実現します。 

例えば、以下のような用途にご活用いただいております。 
・高級パッケージ向け装飾フィルム 
・ラベルやステッカーなどの差別化加飾素材 

蒸着層へのダメージを抑えつつ、美しい凹凸形状を精密に再現するための加工ノウハウも蓄積しており、デザイン性と加工安定性を両立した製品をご提案可能です。 

離型・剥離用エンボス(エンボスセパレーター)

離型・剥離用のエンボスフィルムのイメージ画像

離型・剥離の向上

エンボスセパレーターとは、フィルム表面に凹凸(エンボス)を付与することで、離型性・剥離性を高めたフィルムです。フラットなフィルムと比べて、凹凸により相手材との実効的な接触面積が小さくなるため、貼り付きが起こりにくく、はがしやすくなります。

また、凹凸形状は用途に応じて設計できるため、離型力の調整や、巻取り・搬送時のトラブル低減にも寄与します。

・貼り付き防止・離型性の向上
→粘着剤や樹脂との密着を抑え、はがしやすさを改善します。

エア抜け性の向上
→凹凸によって空気の逃げ道ができ、巻取り時やラミネート時の気泡混入を防止します。

・加工・搬送性の向上
→表面に滑り性が生まれることで、シートの重なりや静電気によるブロッキングを防ぎます。

当社では、用途に応じたエンボスパターン(マット・格子・布目など)の選定に加え、基材フィルムとの組み合わせも含めてご提案可能です。剥離紙、保護フィルム、シート搬送材など、さまざまな用途に対応いたします。

エンボス形状による表面積の増加

エンボス加工でフィルム表面に凹凸を付与することで、フィルム表面積の向上が可能になります。
エンボス深度が大きい柄ほど表面積が向上しやすいです。

エンボス加工の効果_表面積の増加

エンボス加工を施すと、凹凸があることで対象物との接地面積が減り、通常の平滑フィルムと比べて剥離性が大幅に向上します。

 その効果で対象物との剥離性能を向上させることができます。

エンボス加工の効果_接触面積の低下

シリコンフリーセパレーターの作成も可能

ハードエンボス加工は、材料表面に凹凸形状を物理的に付与する加工方法であり、薬品や溶剤を使用せずに機能性や意匠性を付与できる点で環境適性の高い技術です。

表面コーティングや化学処理と比較して、VOCの発生や廃液処理が不要なため、環境負荷の低減につながります。また、素材そのものの特性を活かしながら、離型性・滑り性・光拡散などの機能を付与できるため、リサイクル性を損ないにくい点も特長です。

環境規制への対応やサステナブルな製品設計に貢献できる加工技術といえます。

エンボスサンプルについて

弊社では100種類の柄でカットサンプルの在庫があり、ご提供可能です。
また、ロールサンプルのご用意もございますため、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

本ブログでは、「接着・粘着技術展2025」にてご紹介した、合同樹脂工業のハードエンボス加工技術と対応事例についてご紹介しました。

■PET・PEN・PCなど高剛性・高耐熱素材へのエンボス加工実績
■250μmといった極厚フィルムや複層品、印刷基材への対応
■蒸着フィルムへの加飾用途エンボス加工
■剥離・離型性を向上させるエンボスセパレーター用途
■薬品を使わない、環境配慮型の加工アプローチ

これらの技術は、機能性の付与だけでなく、意匠性や触感デザインの向上にも寄与し、電子部材、建材、パッケージ、工業用途など幅広い分野でご活用いただいております。

最後に

今回のブログ内容はいかがでしたでしょうか。

エンボス加工は、素材の特性を活かしながら、機能性と意匠性の両立を実現できる加工技術です。
当社では、一般的に加工難易度が高いとされる素材や厚み、構成のフィルムについても、用途に応じた条件設計により柔軟に対応しております。

「この素材でも加工できるだろうか」
「剥離性や触感を改善したい」
「シリコンフリーで機能を出したい」

といったお悩みやご検討段階のご相談でも構いません。
サンプル提供や技術的なご提案を通じて、最適な加工方法をご案内いたします。

本ブログが、エンボス加工の可能性をご検討いただく一助となれば幸いです。
ご不明点やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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