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シボ加工とは?種類・加工方法・用途をわかりやすく解説

公開日:2026/10/20

最終更新日:2026/10/20

シボ加工とは?種類・方法・用途をわかりやすく解説

シボ加工とは?種類・加工方法・用途を解説

シボ加工とは、製品の表面に梨地(なしじ)や皮革調、木目調などの凹凸模様を付け、外観や手触りを変える表面加工技術です。

自動車の内装部品や家電製品、建材など、さまざまな製品に使用されています。

一般的には、金型表面に細かな凹凸を形成し、その模様を樹脂成形品に転写する方法が知られています。

一方、金型自体にシボ加工を施さず、凹凸を付けたプラスチックフィルムを、いわば表面形状を転写する「金型代わり」として利用する方法もあります。

本記事では、シボ加工の基本的な仕組み、加工方法、代表的なシボ柄の種類、メリットや注意点について解説します。また、エンボスフィルムを利用した樹脂への形状転写についても紹介します。

ポリカフィルムへエンボス加工した際の用途
ポリカフィルムへエンボス加工した際の用途2

シボ加工とは

シボ加工は、素材や製品の表面に細かな凹凸模様を形成し、見た目や触感を変化させる表面加工・仕上げ技術です。

「シボ」という言葉は、皮革や織物などの表面に見られる皺(しわ)や凹凸模様を表す言葉として使われてきました。

現在では、皮革調の模様だけでなく、梨地、木目、岩目、幾何学模様など、さまざまな凹凸パターンをシボと呼ぶことがあります。

例えば、自動車のダッシュボードやドア内装、家電製品の樹脂製カバーなどに見られる、細かなざらつきや革のような模様もシボ加工の代表例です。

シボ加工は、単に製品を装飾するためだけのものではありません。

表面の凹凸によって光の反射状態や触感が変化するため、光沢を抑えた落ち着いた外観を表現したり、製品に独特の質感を与えたりすることができます。

シボ加工の主な方法

プラスチック成形品では、金型表面に凹凸模様を形成し、成形時にその形状を樹脂表面へ転写する方法が広く用いられています。

金型にシボを形成する代表的な方法には、エッチング加工、サンドブラスト加工、レーザー加工があります。

エッチング加工

エッチング加工は、化学薬品によって金属表面の一部を腐食・除去し、凹凸模様を形成する方法です。

加工しない部分を保護しながら必要な部分を腐食させることで、梨地や皮革調、幾何学模様などを形成します。

自動車内装部品や家電製品など、意匠性が求められる樹脂成形品の金型に用いられる代表的な方法です。

サンドブラスト加工

サンドブラスト加工は、砂やガラスビーズなどの研磨材を金型表面に吹き付け、細かな凹凸を形成する方法です。

研磨材の種類や粒径、吹き付け条件などによって表面の粗さが変わります。

比較的均一な梨地状の模様や、光沢を抑えた仕上がりを得たい場合などに利用されます。

レーザー加工

レーザー加工は、レーザー光を用いて金型表面を加工し、凹凸模様を形成する方法です。

デジタルデータに基づいて加工できるため、設備や加工条件によっては、複雑な模様や細かな形状を形成することも可能です。

なお、これらの加工方法は、それぞれ適した模様や加工条件が異なります。金型の材質・形状、求める凹凸の深さや精度などに応じた選定が必要です。

シボ柄の種類と用途

シボ加工には、さまざまな模様があります。
代表的なものとして、梨地シボ、皮シボ、木目・岩目シボ、幾何学シボなどが挙げられます。

梨地シボ

梨の表皮のような細かな凹凸を持つ模様です。
表面の光沢を抑え、落ち着いた外観やざらついた質感を付与する目的で利用されます。
凹凸の大きさや深さによって、細かなマット調から比較的粗い質感まで表現できます。

皮シボ

天然皮革の表面に見られる皺や凹凸を模した模様です。
自動車の内装部品などで、革に近い外観や立体感を表現する目的で使用されます。
細かな皮目から比較的大きな凹凸を持つものまで、さまざまなパターンがあります。

木目・岩目シボ

木材や岩石の表面を模した模様です。
建材や内装材、装飾部品などで、自然素材に近い見た目や質感を表現する目的で利用されます。

幾何学シボ

格子、ドット、線などの規則的な形状を持つ模様です。
意匠性を高めるほか、凹凸の形状によって表面の触感や接触状態を調整する目的でも検討されます。
同じ種類のシボ柄であっても、凹凸の深さや細かさによって見た目や手触りは異なります。そのため、実際のサンプルを確認して選定することが重要です。

布目・ピラミッド・石目・格子・木目などのエンボスフィルムの柄比較

↑合同樹脂工業が保有するエンボス柄の例。凹凸形状によって異なる質感を表現できます。

シボ加工のメリットと注意点

シボ加工の代表的なメリットは、製品表面の意匠性や触感を調整できることです。

例えば、表面に細かな凹凸を形成することで光沢を抑えたり、平滑な表面とは異なる手触りを付与したりできます。

また、凹凸の種類や使用環境によっては、微細な傷や外観上のムラが目立ちにくくなる場合もあります。

一方、加工方法や凹凸形状によって、注意すべき点もあります。
・凹凸の深さや形状: 同じシボ柄でも、深さや細かさによって見た目や触感が異なります。
・成形条件への影響: 金型へシボ加工を施す場合、成形品の離型性や必要な抜き勾配などを考慮する必要があります。
・模様の変更: 金型自体にシボ加工を施した場合、後から模様を変更するには、表面の再加工などが必要になることがあります。

そのため、特に製品開発の初期段階では、複数の模様を比較し、実際の製品に適したシボ柄を検討することが大切です。

シボ加工とエンボス加工の関係

シボ加工とエンボス加工は、どちらも素材表面に凹凸を形成する技術ですが、用語が使われる場面に違いがあります。

一般的に「シボ」は梨地や皮革調などの凹凸模様や質感を表すことが多く、「エンボス加工」は版やロールなどを使って素材に凹凸を形成する加工方法を表すことが多い言葉です。

ただし、両者は完全に異なるものではありません。例えば、プラスチックフィルムに梨地や皮目などのシボ状の凹凸を付ける場合、エンボス加工によって形成することができます。

エンボス加工の原理や種類、メリットなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

金型に直接シボ加工しない方法|エンボスフィルムによる形状転写

樹脂表面にシボ状の凹凸を付ける方法として、金型自体にシボ加工を施す以外に、エンボスフィルムを利用する方法もあります。

エンボスフィルムとは、表面に微細な凹凸模様を形成したプラスチックフィルムです。

このフィルムを樹脂の成形・硬化工程などで利用することで、エンボスフィルムを表面形状を転写するための「金型代わり」として使用し、樹脂表面に凹凸模様を形成できる場合があります。

例えば、金型自体にシボ加工を施さずに表面意匠を付与したい場合や、製品の開発段階で複数の柄を比較・評価したい場合などに、選択肢となります。

ただし、ここでいう「金型代わり」とは、表面の凹凸形状を転写するための型の役割を指し、製品全体を成形する金型そのものを代替するという意味ではありません。

また、樹脂の種類や温度・圧力・硬化条件によって転写の可否は異なります。特に高温・高圧条件ではフィルムの凹凸が変形する場合もあり、すべての成形方法に適用できるわけではありません。

合同樹脂工業のエンボスフィルムによる形状転写

合同樹脂工業では、ロールtoロール方式のエンボス加工により、PETやOPPなどのプラスチックフィルム表面に凹凸模様を形成しています。

100種類以上の既存柄を保有しており、梨地・マット・皮目・木目など、さまざまな模様をご提案できます。

また、エンボスフィルムを樹脂表面への形状転写に利用する用途についても、FRP、紫外線硬化型樹脂、TPUなどへの評価・採用実績があります。

例えば、OPPフィルムに皮目柄のエンボス加工を施し、その凹凸形状をTPU表面に転写したサンプルでは、樹脂表面に皮革調の質感を付与しています。

皮目柄エンボスフィルムからTPU樹脂へ凹凸を転写したサンプル

こうした方法は、使用する樹脂や工程の条件が適合する場合に、金型へ直接シボ加工を行う方法とは異なる選択肢となります。

樹脂への形状転写の仕組みや、FRP・紫外線硬化型樹脂などへの具体的な活用事例については、以下のページをご覧ください。

なお、合同樹脂工業では、金型そのものへのエッチング、ブラスト、レーザーによるシボ加工は行っておりません。

シボ柄や加工方法を選ぶ際のポイント

シボ加工を検討する際は、柄の見た目だけでなく、製品の材質や製造方法、使用条件を考慮することが重要です。

特に、次の3点を確認しておくと、適した加工方法を検討しやすくなります。

どの素材にシボをつけたいか

金属製の金型に直接加工したいのか、プラスチックフィルムに凹凸を付けたいのか、樹脂成形品に模様を転写したいのかによって、適した加工方法は異なります。

どのような凹凸や質感が必要か

梨地、皮目、木目などの柄の種類に加え、マット感や手触り、凹凸の深さなどを明確にすることが大切です。

どのような製造工程で使用するか

樹脂への形状転写を検討する場合、樹脂の種類、温度、圧力、硬化条件などによって、適したフィルムや転写の可否が変わります。

合同樹脂工業では、用途や加工条件に応じて既存柄から候補を選定し、サンプルや試作による評価をご提案しています。

まとめ|シボ加工は目的に応じた方法の選定が重要

シボ加工とは、製品表面に梨地や皮革調などの凹凸模様を付け、外観や触感を変化させる加工技術です。

一般的には、金型へのエッチング、サンドブラスト、レーザー加工などの方法があります。

一方、樹脂表面に凹凸模様を形成したい場合には、金型への直接加工だけでなく、エンボスフィルムを利用した形状転写も選択肢となります。

合同樹脂工業では、プラスチックフィルムへのエンボス加工や、エンボスフィルムを用いた樹脂への形状転写用途について、サンプル提供・試作のご相談を承っています。

フィルム表面への凹凸加工や、樹脂表面へのシボ状の形状転写をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

エンボス技術資料

技術検討に役立つ技術資料をご用意しています

エンボス加工の特徴、対応フィルム、表面形状による機能付与、試作の進め方など、技術検討・社内説明に使える資料をご用意しています。


☑エンボス加工・受託製造
☑PET・PIなどの対応素材
☑サンプル・小ロット試作

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監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾 

合同樹脂工業社長写真

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて製造業を中心とした経営支援業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。 
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。 
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。  

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