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マット加工とは?素材表面のマット感が引き出す付加価値やメリットをご紹介!

公開日:2024/12/16

最終更新日:2026/8/21

マット加工とは?素材表面のマット感が引き出す付加価値やメリットをご紹介!

エンボス加工でマットフィルム・すりガラス調

はじめに

先日のブログ「エンボスフィルムとは?素材と凹凸で機能性付与“エンボスフィルム”の基礎をご紹介! 」でエンボスとは?についてご紹介いたしました。 
※まだご覧になられていない方はぜひ上記リンクからご確認ください。 


近年、製品デザインやパッケージングの分野で「マット仕上げ」を求める声が高まっています。
光沢を抑えた落ち着いた質感は、高級感や上品さの演出に利用されています。また、表面形状や加工方法によっては、光沢や映り込みを抑えたり、傷や指紋を目立ちにくくしたりする効果が期待できます。

本記事では、素材表面の光沢を抑える「マット加工」と「マットフィルム」の基本から、種類・用途・メリット・選定のポイントまでを、技術的な視点でわかりやすく解説します。
 
【自己紹介】 
 
表面エンボスの合同樹脂工業! 
 
合同樹脂工業は、マットフィルムや離型フィルムなどコーティングフィルムへのアフターエンボス加工を手掛けている会社です。素材の特性を活かしたエンボスフィルムの作成を得意としており、表面形状と基材特性を組み合わせ、さまざまな課題の解決に向けたご提案を行っています。

エンボス加工品のマット加工品イメージ_ウィンドウフィルム
エンボス加工品のマット加工品イメージ_表面粗さ向上

マット加工とは

マット加工とは、素材表面の光沢を抑え、落ち着いた外観や質感を付与する表面加工の総称です。

エンボス加工やサンドブラストなど、表面に微細な凹凸を形成する方法では、入射した光がさまざまな方向へ反射・散乱し、フラットで光沢のある表面と比較して艶や映り込みを抑えることができます。

マット感の見え方や触感は、表面形状、粗さ、基材、加工方法などによって異なります。

エンボス加工品のマットエンボス品使用イメージ_樹脂転写用キズ防止

マットフィルムとは

マットフィルムとは、表面の光沢を抑えたマット調の外観や質感を持つフィルムです。

マット化する方法には、エンボス加工によって表面に凹凸を形成する方法、マット剤をコーティングする方法、サンドブラストによる表面処理、原料へ成分を練り込む方法などがあります。

加工方法によって、表面粗さ、透明性、光沢、触感、後工程への適性などが異なるため、用途に応じた選定が重要です。


・光沢や映り込みを抑え、視認性の向上に寄与する場合がある
・指紋や細かな汚れを目立ちにくくする場合がある
・表面の質感を変化させ、意匠性を付与できる
といった多面的な利点があります。

素材は主に PET(ポリエステル)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート) などが使用されます。
それぞれ透明度や硬さ、熱耐性が異なるため、目的に応じた素材選定が重要です。

またマットフィルムは、印刷や包装、装飾など、さまざまな用途で活用されています。その落ち着いた外観や質感から、多くの分野で使用されています。本ブログでは、マットフィルムの用途やメリットについて詳しく解説し、その選び方や活用方法についても触れていきます。

練込マットフィルム

光沢や映り込み、指紋の目立ちやすさなどは、表面形状やマット感によって変化する場合があります。用途や素材に合わせたマット加工をご相談いただけます。

マットフィルムの作成方法

素材選定

主にポリエステル(PET)やポリプロピレン(PP)などのプラスチック素材が使用されます。 他にも用途や使用方法によりポリエチレン(PE)などが選ばれる場合もあります。

用途や基材の硬さ、耐熱性などの求められる特性に応じて、最適な素材が選ばれます。 

様々な素材にエンボス加工した製品例

主なマット加工方法

エンボスマットフィルム

エンボスマットフィルムは、フィルム表面へ物理的に微細な凹凸を形成して艶を抑える方法です。

当社ではマット・梨地系の複数のエンボス柄を保有しており、基材や柄、加工条件によってRa約0.8~4.0μm程度の表面粗さに対応しています。

マット化のための塗工剤を新たに使用せず、基材の特性を活かしながら表面形状を付与できることが特徴です。

※表面粗さは基材、厚み、柄、加工条件、測定条件によって異なります。

エンボス加工工法イメージ
エンボスマットフィルム

サンドマットフィルム

サンドマット(サンドブラスト)は、微細な砂や研磨材をフィルム表面へ投射し、表面に細かな凹凸を形成するマット加工方法です。

表面を粗面化することで光沢を抑え、梨地状の質感を付与できます。

コートマットフィルム

コートマットフィルムは、フィルム表面へマット剤を含む塗工層を形成し、艶消しや表面機能を付与する方法です。塗工設計によって光沢、触感、防汚性などの機能を調整できるものがあります。

練り込みマットフィルム

フィルムの原料へマット効果を得るための成分を配合し、製膜段階からマット調の外観を持たせたフィルムです。

表面処理だけではなくフィルム自体の設計によって外観や光学特性を調整する点が、エンボス加工やコーティングによるマット化との違いです。

マットフィルムの主な用途

印刷分野

マットフィルムは印刷業界で広く使用されています。特に名刺、ポスター、カタログ、パンフレットなどの印刷物において、マットフィルムラミネートが施されることが多いです。以下のような利点があります。

- 高級感の演出
- 指紋や汚れが目立ちにくい
- 光沢や映り込みの低減  

印刷用途

パッケージング分野

製品の包装にもマットフィルムは活用されています。食品、化粧品、電子機器など、さまざまな製品のパッケージに採用されており、次のようなメリットがあります。

- 商品の高付加価値化 
- 落ち着いたデザイン表現が可能 
- ブランドイメージの向上 

エンボスによる凹凸形状の場合、対象物との実接触面積を変化させ、密着抑制に利用できる場合があります。

包装・パッケージ用途

建築・インテリア分野

窓ガラスや壁の装飾にもマットフィルムが使われます。例えば、窓ガラスに貼るマットフィルムは、プライバシーを保護しながら自然光を取り入れることができます。さらに、店舗やオフィスの壁に使用されることで、洗練された空間デザインを実現できます。

エンボスフィルムの使用例_ウィンドウフィルム

自動車・電子部品分野

自動車分野では、内装加飾や車載ディスプレイ、スイッチパネルなどにマット調の表面が採用される場合があります。

車載ディスプレイやスイッチパネルなどでは、映り込み、指紋の見え方、触感などが評価項目となる場合があります。これらの性能は、表面形状やコーティング、基材構成によって異なります。

自動車分野

マットフィルムのメリット(機能面)

光沢・映り込みの低減

マットフィルムの代表的な特徴の一つは、光沢や映り込みを抑えられることです。光沢のある表面は光を強く反射するため、特定の角度から見ると眩しさを感じることがあります。一方、マットフィルムはこの反射を抑え、表面の微細な凹凸によって光の反射方向が分散するため、フラットなフィルムと比較して光沢や映り込みを抑えられる場合があります。

効果は表面形状、基材、光源、観察角度などによって異なります。

エンボスの効果_光拡散

指紋や汚れが目立ちにくい

光沢表面は指紋や汚れが目立ちやすいのに対し、マット表面では光の反射状態が変化するため、フラットな光沢面と比較して、指紋や細かな汚れが目立ちにくくなる場合があります。

ただし、実際の防指紋性や防汚性は、表面形状、基材、コーティング、使用条件などによって異なります。

エンボスフィルムの凹凸で指紋や汚れが目立ちにくい

高級感の演出

マットな質感は落ち着いた印象を与えるため、製品や空間に高級感を持たせる効果があります。高級ブランドのパッケージや高級車の装飾などに好まれて使用されています。

視認性の向上

印刷物やディスプレイの表面では、光沢や映り込みを抑えることで、視認性の向上に寄与する場合があります。効果は表面形状やヘイズ、光源、観察角度などによって異なります。

マットフィルムの選び方

1.求める外観・表面状態

艶消しの程度、表面粗さ、透明性、すりガラス調の見え方などを確認します。必要に応じて光沢度、Ra、ヘイズなどの数値も参考にします。

高級感を出したい、落ち着いた外観にしたいなど、求めるデザインや質感も選定時の重要なポイントです。

2.基材の特性と使用環境

PET、PP、PCなど、基材によって耐熱性、剛性、透明性、加工適性が異なります。

使用温度や屋内・屋外などの使用環境、印刷・ラミネート・成形といった後工程も確認し、用途に適した基材を選定します。

3.マット化の方法

エンボス、コーティング、サンドマット、練り込みなど、マット化する方法によって表面状態や機能が異なります。

例えば、エンボス加工では表面に物理的な凹凸を形成するのに対し、コートマットでは塗工層によってマット感を付与します。

求める表面粗さ、透明性、後工程、薬剤使用の有無などを踏まえて加工方法を選定します。

4.使用目的・求める機能

艶消し、光拡散、粗面化、樹脂転写、密着抑制など、マットフィルムに求める機能によって適した表面形状や加工方法が異なります。

例えば、外観をマット調にする目的と、対象物との密着を抑える目的では、適したエンボス柄が同じとは限りません。

用途と求める性能を整理したうえで、実物サンプルを比較しながら選定することが重要です。

各種エンボスマット柄の参考データ

エンボス柄によって、表面粗さや見え方は異なります。以下では、当社が保有するマット系エンボス柄と各種マットフィルムの表面粗さを比較しています。

エンボスフィルムと各種マットフィルムの表面粗さ

マット感や表面粗さは、数値だけでなく実際の見え方や触感も重要です。当社ではカットサンプルをご用意しており、用途に応じて複数の柄を比較いただけます。

マットフィルムの活用例

・ウィンドウフィルム
・樹脂へのマット形状転写
・表面粗さの付与
・光拡散・映り込み低減
・密着抑制

よくあるご質問(FAQ)

Q.粗いマットにできますか?

A. はい。当社ではマット・梨地系のエンボス柄を複数保有しており、基材や加工条件によってRa約0.8~4.0μm程度の表面粗さに対応しています。透明性や見え方は基材・柄によって異なるため、カットサンプルでの比較をおすすめしています。

Q.防指紋効果を高めたいのですが?

A. 表面をマット化することで、光沢面と比較して指紋が目立ちにくくなる場合があります。ただし、防指紋・防汚性能は表面形状、基材、コーティングなどによって異なります。用途に応じてサンプルでの評価をおすすめしています。

Q.小ロットの試作も可能ですか?

A. 1巻単位から対応可能です。評価用サンプルもご用意できます。

Q.再生PETやバイオPETへの加工実績はありますか?

A. はい。再生PETやバイオPETへのエンボス加工実績があります。基材のグレードや構成によって加工適性が異なるため、詳細は事前にご相談ください。

マットフィルムのまとめ

マットフィルムは、表面の光沢を抑え、落ち着いた外観や質感を付与したフィルムです。マット化する方法には、エンボス加工、コーティング、サンドブラスト、練り込みなどがあり、それぞれ表面状態や特徴が異なります。

また、表面形状や基材、加工方法によっては、光沢・映り込みの低減、表面粗さの調整、樹脂への形状転写、密着抑制などの機能を持たせることも可能です。

用途に適したマットフィルムを選ぶためには、見た目だけでなく、表面粗さ、透明性、基材、使用環境、後工程なども含めて検討することが重要です。数値だけでは判断しにくい場合は、実物サンプルを比較しながら選定することをおすすめします。

エンボス加工で表面粗さの向上
エンボス加工で艶消し・マットフィルム

最後に

当社のエンボス加工は、熱と圧力によってフィルム表面へ物理的に凹凸形状を付与する加工方法です。

マット化のための塗工剤や添加剤を加工工程で新たに使用せず、基材の特性を活かしながら表面粗さやマット感を付与できます。

当社では100種類以上の既存エンボス柄を保有しており、A4サンプルによる初期評価からロール試作まで対応しています。求めるマット感や表面粗さ、使用基材についてお気軽にご相談ください。

監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾 

合同樹脂工業社長写真

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて製造業を中心とした経営支援業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。 
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。 
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。  

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