公開日:2024/12/16
最終更新日:2025/10/20
マット加工とは?素材表面のマット感が引き出す付加価値やメリットをご紹介!

先日のブログ「エンボスフィルムとは?素材と凹凸で機能性付与“エンボスフィルム”の基礎をご紹介! 」でエンボスとは?についてご紹介いたしました。
※まだご覧になられていない方はぜひ上記リンクからご確認ください。
近年、製品デザインやパッケージングの分野で「マット仕上げ」を求める声が高まっています。
光沢を抑えた落ち着いた質感は、高級感や上品さを演出するだけでなく、反射防止や傷の目立ちにくさ、視認性の向上といった機能面でも優れています。
本記事では、素材表面に凹凸をつけて艶を抑える「マット加工(マットフィルム)」の基本から、種類・用途・メリット・選定のポイントまでを、技術的な視点でわかりやすく解説します。
【自己紹介】
表面エンボスの合同樹脂工業!
合同樹脂工業は、マットフィルムや離型フィルムなどコーティングフィルムへのアフターエンボス加工を手掛けている会社です。素材の特性を活用したエンボスフィルムの作成を得意としており、形状+基材特性を利用し、あらゆる課題の解決へのアプローチを行っております。


マット加工とは、光沢を抑えた仕上げのことを指します。マット仕上げは光を反射せず、曇ったような質感になります。この加工は、手触り的にも、さらさらとした触感を付与し、落ち着いた印象や高級感を与えることが特徴です。

マットフィルムとは、素材の表面に微細な凹凸を形成して反射光を拡散させ、艶を抑えたフィルムのことを指します。
この「マット感」は単なる装飾効果にとどまらず、
・光沢を抑えて視認性を高める
・指紋や汚れを目立ちにくくする
・質感を変化させて製品価値を高める
といった多面的な利点があります。
素材は主に PET(ポリエステル)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート) などが使用されます。
それぞれ透明度や硬さ、熱耐性が異なるため、目的に応じた素材選定が重要です。
またマットフィルムは、印刷や包装、装飾など、さまざまな用途で活用されています。その柔らかな質感と高級感のある見た目から、多くの分野で使用されています。本ブログでは、マットフィルムの用途やメリットについて詳しく解説し、その選び方や活用方法についても触れていきます。

主にポリエステル(PET)やポリプロピレン(PP)などのプラスチック素材が使用されます。 他にも用途や使用方法によりポリエチレン(PE)などが選ばれる場合もあります。
用途や基材の硬さ、耐熱性などの求められる特性に応じて、最適な素材が選ばれます。

素材の表面に艶消し加工を施します。これには、特殊なコーティング剤を用いる方法や機械的な処理が含まれます。
エンボスマットフィルムは【Ra1.0以上】の表面粗さを出すことも可能であり、粗めの表面粗さが欲しいといったご要望に対しご対応可能です。 他にも、コーティングマットや練り込みマット基材と組み合わせも可能であり、 繊細な意匠や性能へのご対応も可能です。

サンドマットフィルムとは、高圧の空気や水を利用して、砂や研磨材をフィルムの表面に吹き付け、表面に特定の質感や模様を付けたりする加工方法です。均一で滑らかな仕上がりが得られるため、表面処理や装飾、下地処理など幅広い分野で活用されています。
コートマットフィルムとは、フィルムの表面にマット(艶消し)仕上げを施したコーティングフィルムのことです。フィルムに光沢を抑えた落ち着いた質感を与えるため、高級感や洗練された印象を持たせたい場合に使用されます。
マットフィルムは印刷業界で広く使用されています。特に名刺、ポスター、カタログ、パンフレットなどの印刷物において、マットフィルムラミネートが施されることが多いです。以下のような利点があります
- 高級感の演出
- 指紋や汚れが目立ちにくい
- 反射を抑えて視認性を向上

製品の包装にもマットフィルムは活用されています。食品、化粧品、電子機器など、さまざまな製品のパッケージに採用されており、次のようなメリットがあります.
- 商品の高付加価値化
- 落ち着いたデザイン表現が可能
- ブランドイメージの向上
- 製品の密着防止

窓ガラスや壁の装飾にもマットフィルムが使われます。例えば、窓ガラスに貼るマットフィルムは、プライバシーを保護しながら自然光を取り入れることができます。さらに、店舗やオフィスの壁に使用されることで、洗練された空間デザインを実現できます。

自動車の外装や内装にもマットフィルムが使用されています。特に、車体にラッピングすることで独特の質感を追加できるだけでなく、塗装の保護効果も期待できます。
また、車載ディスプレイ・スイッチパネル・モバイル端末では、指紋防止・反射防止が重視されています。
マットコートタイプでは、防汚性とタッチ感の両立が可能です。

マットフィルムの最大の特徴は、反射を抑えることです。光沢のある表面は光を強く反射するため、特定の角度から見ると眩しさを感じることがあります。一方、マットフィルムはこの反射を抑え、どの角度からでも均一な見え方を提供します。
光沢表面は指紋や汚れが目立ちやすいのに対し、マットフィルムはそれらが付きにくく、目立たないため、清潔感を保ちやすいです。この特性は、日常的に触れる場所で特に有用です。

マットな質感は落ち着いた印象を与えるため、製品や空間に高級感を持たせる効果があります。高級ブランドのパッケージや高級車の装飾などに好まれて使用されています。
印刷物やディスプレイの表面に使用することで、反射による視認性の低下を防ぎ、内容がはっきりと見えるようになります。この特性は、広告や情報表示において重要です。
マットフィルムは耐久性に優れており、傷や汚れから基材を保護します。このため、屋外で使用される印刷物やパッケージなどに最適です。
マットフィルムを選定する際は、次の3点が重要です。
1.マット度(艶のレベル)
→ Ra値・反射率で比較(目安:Ra0.5〜3.0µm)
2.素材の透明度・耐熱性
→ PETは高温工程向け、PPは軽量・包装向け
3.用途別要件
→ 意匠重視/機能重視/環境重視で方式を選定
印刷物、パッケージ、装飾など、使用目的に合わせて適切なマットフィルムを選びましょう。
使用環境に応じて、耐候性や耐久性が求められる場合があります。また、加工しやすい素材を選ぶことで作業効率も向上します。
高級感を出したい場合や、特定のブランドイメージを演出したい場合は、表面の質感や色味にも注目しましょう。

印刷物、パッケージ、装飾など、使用目的に合わせて適切なマットフィルムを選びましょう。
住宅の窓ガラスにマットフィルムを貼ることで、外からの視線を遮りつつ、自然光を室内に取り入れるデザインが人気です。この効果は、プライバシーを守りながら快適な居住空間を作り出します。
他にも壁や棚などの内装材や家具などに貼り合わせることで、デザイン性をあげるほか、摩耗や傷から守る役割を果たすことがあります。表面にマット(凹凸)をつけることで、傷や汚れが目立ちにくくなります。


A.はい。エンボス加工によりRa1.0以上の透明感を残したマット仕上げが可能です。
A.エンボスマットにより、防指紋効果を高めることが可能です。またコートマットやサンドマットをくみあわせることでさらに高い防指紋・防汚性能を追加できます。
A.1巻単位から対応可能です。評価用サンプルもご用意できます。
A.再生PET・バイオPET多数の実績がございます。
マットフィルムは、その反射防止性、高級感、汚れに強い特性など、多くのメリットを持つ素材です。印刷、パッケージング、建築、自動車装飾など、幅広い分野で活用されており、その用途は今後も拡大していくといわれています。
適切なマットフィルムを選ぶことで、デザインのクオリティを向上させるだけでなく、機能性も兼ね備えた効果を得られます。ぜひ参考にしていただき、最適なマットフィルムを活用してみてください。


今回のブログはいかがでしたでしょうか。
みなさまのご参考になれば幸いです。
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