公開日:2023/9/26
最終更新日:2026/1/19

環境配慮やリサイクル適性が強く求められる現在、
プラスチックフィルムの加工方法そのものが製品価値を左右する時代になっています。
その中で注目されているのが、
ケミカルフリー・シリコンフリーで加工できる「エンボスフィルム」です。
当社のエンボスフィルムは、独自工法のハードエンボス工法により、シリコンフリー・長寿命の凹凸フィルムとして使用いただくことができるため、環境配慮用途として採用されることが増えています。
本記事では、フィルム用途に特化したエンボス加工の環境適正・技術的特長に焦点を当てて解説します。
エンボス加工フィルムとは、
熱と圧力のみを用いてフィルム表面に凹凸(立体形状)を形成したフィルムを指します。
インキやコーティング剤を使用せず、
物理的に表面構造を変化させる点が最大の特長です。
この加工により、フィルムには以下のような機能が付与されます。
・表面接触面積の制御
・過密着の防止
・離型性・滑り性の付与
・意匠性・触感の向上
装飾目的だけでなく、機能性を求める工業用途フィルムとしての採用が増えています。
エンボス加工フィルムは、
添加剤・溶剤・薬品を一切使用しないケミカルフリー加工です。
印刷やコーティング加工で必要となる
有機溶剤や化学処理工程が不要なため、
・VOC(揮発性有機化合物)の発生がない
・作業環境への負荷が少ない
・製造工程がシンプル
といった環境面・安全面のメリットがあります。

従来の離型フィルムでは、
シリコン処理や化学的な離型層が用いられることが一般的でした。
しかし、これらはリサイクル工程において
・分離処理が必要
・再生樹脂の品質低下
・処理コスト増加
といった課題を生みます。
エンボス加工フィルムは、
表面凹凸構造そのものによって離型性・密着防止性を確保するため、
シリコンや化学層を必要としません。
その結果、
モノマテリアル設計・マテリアルリサイクルと非常に相性の良い加工方法
となります。
当社のエンボス加工は、ロールtoロール方式の連続加工が可能です。
・カット工程が不要
・工程内での廃棄発生が少ない
・安定した量産加工が可能
これにより、加工工程全体での廃棄物削減に貢献します。
平版でのエンボス加工と比較し、大量生産などの際に特にメリットがあります。
当社のエンボス加工フィルムは、
基材全面に均一な凹凸を形成できるため、端部の未加工ロスを最小限に抑えられます。
特に広幅フィルムでは、
・未加工部分のトリミング
・廃棄幅の増加
が問題になりがちですが、
有効巾を活かすことで材料ロスの削減につながります。
プラスチックフィルムには種類が多くあり、柔らかいものから硬いものまで幅広くラインナップがございます。
その中でも当社は2軸延伸PETなど、基材の剛性や耐熱性を活かしたエンボスフィルムの作成を得意としています。
そのため、柔らかい基材では実現できない製品強度による製品の長寿命化が可能です。
その結果、プラスチック廃棄量の削減につながり、環境への負荷を軽減することができます。
当社ハードエンボス加工は、2軸延伸PETやポリイミドのような高剛性の素材をはじめ、
フッ素フィルム、ポリカフィルム、PENフィルム、PBTフィルム、OPP、CPP、アクリルフィルムなどにも豊富な加工実績がございます。
当社では、Reエンボス(再生エンボス)技術により、
・外観不良品
・仕様変更で使えなくなった在庫
・意匠変更が必要なフィルム
これらを再エンボスすることで、
廃棄せずに再利用・再商品化できます。
Reエンボスは、
・産業廃棄物の削減
・材料コストの低減
・環境配慮型製造への対応
を同時に実現できる技術です。
下記の写真は、シワや傷、打痕などの不良が発生したフィルムをReエンボス加工したビフォーアフターの比較です。
加工前は外観不良により使用が困難な状態でしたが、高温・高圧による再形成処理により、
これらの欠点が大幅に改善していることが分かります。
ケミカルフリー・シリコンフリーのエンボス加工フィルムは、
以下のような用途で活用されています。
・離型フィルム・セパレータ用途
・接着・粘着材料向け工程用フィルム
・建材・工業用途フィルム
・環境配慮型製品向け表面材
「離型性は必要だが、シリコンは使えない」
という条件下で特に評価されています。
エンボス加工フィルムは、環境面だけでなく実用面でも多くのメリットがあります。
・表面凹凸による過密着防止
・添加剤不使用によるブリードアウト抑制
・加工後の物性安定性・再現性
・意匠性と機能性の両立
これらは、製造現場でのトラブル低減や品質安定化に直結します。
ケミカルフリー・シリコンフリー加工により、リサイクル性が高く、廃棄ロス削減に貢献します。
ケミカルフリー・シリコンフリー加工による環境配慮、リサイクル性、廃棄ロス削減など多くのメリットがあります。
シリコンを使わずに離型性・密着防止性を実現でき、モノマテリアルリサイクル性が向上します。
また、添加剤のアウトブリードや塗工剥がれ、残渣の発生が無いため、精密な電子工程等でも使用いただけます。
フィルム素材と相手材(樹脂など)との相性に依存しますが、PPなど自己離型性のある素材やPETにエンボス加工することで、表面凹凸構造によってシリコンを使用せずに密着防止・離型性を実現できます。
一度加工したフィルムを再エンボスし、廃棄せずに再利用する技術です。
エンボス加工フィルムは、
・ケミカルフリー
・シリコンフリー
・高いリサイクル適性
・廃棄ロス削減
といった特長を持つ、環境対応型のフィルム加工技術です。
環境規制やサステナビリティ対応が求められる中で、
加工方法の選択そのものが製品価値を左右します。
フィルム加工において
環境適正と機能性の両立を目指す場合、
エンボス加工フィルムは有力な選択肢の一つです。
エンボス加工フィルムの加工・試作・サンプル依頼や、ご質問については下記よりお気軽にご相談ください。
監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて経営コンサルティング業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。
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