公開日:2025/12/23
最終更新日:2025/12/23

エンボス加工フィルムとは、フィルム表面に微細な凹凸(エンボス柄)を付与することで、
素材本来の特性に加え、物理構造によって新たな機能性を持たせたフィルムです。
特にエンボス加工フィルムは、以下の 3つの効果 によって、
粘着・建材・光学・工業用途など幅広い分野で活用されています。
・離型性向上・過密着防止
・空間付与・クッション効果
・光拡散効果
本記事では各効果とそれぞれの使い方(用途)を具体的に解説します。

エンボス加工フィルムとは、
エンボスロール(金型)を用いて、フィルム表面に凹凸を転写したフィルムです。
熱と圧力によって凹凸形状を形成するため、コーティングや添加剤に頼らず、表面形状そのものが機能を生むという特徴があります。
また、凹凸の形状・高さ・密度 を制御することで、
フィルム表面の接触状態や光の挙動をコントロールできます。
なお、エンボス加工そのものの原理や加工方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
エンボス加工フィルムの最大の特徴は、フィルム表面に規則的または不規則な凹凸構造を持つ点です。
この凹凸自体が「機能」となり、フラットなフィルムでは得られない効果を生み出します。
例えば、
・表面に凹凸構造を持たせることで、接触面積を物理的に制御
・剥離性調整・摩擦制御・光の乱反射など、物理構造による機能付与
することが可能です。
エンボス加工は後加工であるため、
原反フィルムの材質や物性を大きく変えずに、
表面機能のみを設計できるというメリットがあります。
これにより、
・原反変更によるコスト増を抑えたい
・既存設計を活かしたまま機能を追加したい
・大きな変更をせずに、簡易な試作で機能の改善・変更を狙いたい
といったニーズにも対応可能です。

合同樹脂工業では、半世紀にわたりエンボス加工一筋で取り組んできた知見を活かし、
・PET以上の高剛性・耐熱フィルムへのエンボス加工
・100種類以上のエンボスパターンによる機能設計
・凹凸の形状・深さの調整による最適な表面設計
を可能としています。
これにより、
「他社では加工が難しいフィルムにも大きな凹凸を賦形してほしい」
「材料を変えずに機能を付与したい」
といった課題にも対応可能です。
エンボス加工フィルムの代表的な効果が、
離型性の向上および過密着(貼り付き)の防止 です。
エンボスにより表面に凹凸が形成されることで、
・粘着剤や樹脂との 実接触面積が減少
・接触点が分散され、局所的な密着を防止
・剥離時の抵抗が低減し、安定した剥離挙動 を実現
といった効果が得られます。
材料や粘着処方を変えずに、形状だけで課題を解決できる点が大きな特長です。
例えば粘着加工品においては、セパレータとして、
合わせた糊へ凹凸形状を転写させることによりトンネリングを防ぎ、
綺麗にスピーディーに貼り合わせることができます。
このように、フラットなフィルムをエンボスフィルムに変更するだけで、
お客様の工程上の生産性を大幅に向上させることが可能です。


エンボス加工により形成された凹凸は、
フィルム同士、あるいは被着体との間に 微細な空間(エア層) を生み出します。
その結果、
・断熱性の向上
・結露抑制
・衝撃緩和・クッション性付与
といった効果を得られます。
フィルム1枚で「構造」をつくることで、薄型・軽量化を実現します。
当社ではPETフィルムで~250μm、他素材なら~4mmの厚みの素材まで加工実績があり、大きな凹凸を厚いフィルムに形成することで、より大きな空間を生むことができます。


エンボス加工による凹凸は、柄によって、光を乱反射・拡散させる効果があります。
その結果、
・ギラつき・眩しさの低減
・視認性の向上
・遮光・目隠し
・意匠性・質感の向上
・光の効率化(明るさUP、電力低減)
のような効果を得ることができます。
凹凸形状の設計次第で、
透明性を維持しながら拡散性を付与 することも可能です。
ここからは、先ほど解説した 3つの効果が、実際にどのような用途で使われているかを紹介します。

・離型セパレータの離型性を向上させたい
・自己離型性のある基材にエンボスすことで、シリコンフリーのセパレータとして使用したい
・粘着樹脂にフィルム形状を転写することで、対象物との密着を緩和したい
・フィルム同士やフィルムと物体のブロッキングを防止したい
など、様々な課題を解決するために使用されます。
使用例としては、
・ラベルの粘着剤が残らない包装資材用テープ
・樹脂製品の搬送時に使用する転写工程紙
・プラスチックコンテナラベルの脱着容易なテープ
など幅広く使用されています。
詳しくは下記よりご覧ください。
また、シリコンフリーのセパレータとしても使用いただけるため、
電子・精密工程での活用や
リサイクル性や環境配慮の観点から注目されています。
なお、エンボス加工フィルムの環境適正については、下記で詳しく解説しています。

断熱・保温や結露防止だけでなく、空間を生み出すことによるフィルムの使用量削減、小さな物体を等間隔に並べるための仕切りなどとしても使用いただけます。
(使用例)
・樹脂・ゴム成形時のスペーサー用途
・巻取り時のエア噛み防止
・輸送・保管時の緩衝材用途
・窓貼りフィルム
・建材・内装用途
・結露・熱対策用途
・使用量の削減
「貼り付かない」「圧痕が出にくい」といった特性は、
製造現場の安定化 に寄与します。
光を拡散・反射させることで、光沢のコントロール(マット感)を行うことや、視覚的な用途でも活用いただけます。
・ディスプレイ・表示用途
・ウィンドウフィルム(遮光・目隠し用途)
・液晶のバックライト
・光源の映り込み緩和用途
用途によって、適した凹凸形状や深さは異なります。
離型用途では接触面積を抑える設計、
意匠用途では見た目を重視した設計が重要です。
PET、PP、PENなど、用途や耐熱性・剛性に応じて素材を選定します。
素材とエンボス設計の組み合わせが、性能を大きく左右します。
合同樹脂工業では、独自工法によるハードエンボス加工により、
・PET以上の高剛性フィルムへの加工対応
・100種類以上のエンボス柄
・シリコンフリー・ケミカルフリー対応
・小ロット・試作対応
など、お客様の用途に応じたエンボス加工フィルムをご提案しています。
半世紀以上にわたり培った経験を活かし、素材、柄、形状、使用方法など、お客様のご要望を実現するご提案をさせていただきます。
是非お気軽にご相談ください。
エンボス加工フィルムは、
表面の凹凸設計によって多様な効果を発揮する機能性フィルムです。
その機能の幅広さから、お客様の多種多様なお悩みごとにアプローチできます。
「この用途で使えるか?」「この素材や柄で加工できるか?」など、
ご相談やサンプルのご依頼については、お気軽にご連絡ください。
用途や目的に応じて、素材や柄、形状の選び方から使い方まで、ご提案いたします。
ブログ検索
最新記事
カレンダー
ブログ月別アーカイブ
ブログカテゴリー
タグ