公開日:2025/4/18
最終更新日:2026/8/21
PETフィルムとは?特徴・用途・種類・エンボス加工までわかりやすく解説

PETフィルムとは、PET樹脂を薄いフィルム状に加工したプラスチックフィルムです。
PETは「ポリエチレンテレフタレート」の略称で、飲料用ペットボトルにも使われている身近な樹脂です。フィルムとして使用される場合は、透明性、強度、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性などに優れており、包装材料、電子部材、ラベル、保護フィルム、工程用セパレーターなど、幅広い分野で使用されています。
特に、二軸延伸PETフィルムは、機械的強度や寸法安定性に優れているため、工業用途でも多く採用されています。一方で、用途によってはPP、PE、PVC、PI、PEN、フッ素フィルムなど、他の樹脂フィルムの方が適している場合もあります。
また、PETフィルムはエンボス加工によって表面に凹凸を付与することで、離型性、滑り性、密着防止、光拡散、マット感、樹脂転写などの機能を検討できます。
この記事では、PETフィルムの基本から、特徴、耐熱温度、用途、種類、他素材との違い、加工方法、エンボス加工による機能付与まで、わかりやすく解説します。
PETフィルムへのエンボス加工をご検討中の方へ


PETフィルムとは、ポリエチレンテレフタレート、つまりPETを原料として作られるフィルムです。
PETは、ポリエステル樹脂の一種であり、強度、透明性、耐熱性、寸法安定性などのバランスに優れた素材です。飲料ボトルとして使われるPETと同じ種類の樹脂ですが、フィルム用途では薄く、均一なシート状に加工され、包装、産業資材、電子部品、建材、光学部材などに使用されます。
一般的に工業用途で使われるPETフィルムの多くは、二軸延伸PETフィルムです。
二軸延伸とは、フィルムを縦方向と横方向の両方に引き伸ばす加工のことです。この工程によって、フィルムの強度や寸法安定性が高まり、薄くても破れにくく、熱や張力に対して安定したフィルムになります。

PETフィルムには、さまざまな優れた特徴があります。ここでは代表的な特徴を紹介します。
PETフィルムは透明性に優れており、中身を見せたい包装材や、外観を重視するラベル、保護フィルム、光学用途などに使用されます。
PETフィルムは表面が比較的平滑で、印刷やコーティングの基材として広く使用されています。ただし、インキや塗工剤との密着性はフィルムのグレードや表面処理によって異なり、用途によってはコロナ処理や易接着処理などが必要です。
PETフィルムは、薄くても引張強度や耐久性に優れています。
そのため、破れにくさ、腰の強さ、加工時の安定性が求められる用途に適しています。ロールtoロール加工やスリット加工など、工業的な連続加工にも向いています。
PETフィルムは、温度や湿度の変化による寸法変化が比較的小さい素材です。
寸法安定性が求められる電子部材、工程用フィルム、ラベル、印刷基材などでよく使用されます。加工中にフィルムが伸びすぎたり、縮みすぎたりしにくいことは、品質安定の面でも大きなメリットです。
PETフィルムは、PEやPPなどの汎用フィルムと比較すると耐熱性に優れています。
ただし、すべての高温工程に対応できるわけではありません。使用温度、加工温度、荷重、時間、求められる寸法安定性によっては、PEN、PI、フッ素フィルムなど、より高耐熱な材料を検討する必要があります。
PETフィルムの具体的な耐熱温度の考え方については、後述の「PETフィルムの耐熱温度は何℃?」で詳しく解説します。
PETフィルムは電気絶縁性にも優れているため、電子部品や絶縁材料としても使用されます。
電子部材、モーター、バッテリー関連部材、各種工程用フィルムなど、電気的特性が求められる分野でも活用されています。
PETフィルムは、印刷、コーティング、蒸着、ラミネート、スリット、打ち抜き、エンボス加工など、さまざまな二次加工に対応しやすい素材です。
そのため、単なる透明フィルムとしてだけでなく、表面機能を付与した機能性フィルムとしても広く使われています。
PETフィルムの耐熱温度は、メーカーやグレード、厚み、使用時間、荷重、張力、求められる寸法安定性などによって異なるため、一律に「何℃まで使用できる」と決めることはできません。
PETフィルムはPEやPPなどの汎用フィルムと比較すると耐熱性に優れており、加熱工程や工業用途にも広く使用されています。一方、高温環境ではフィルムが溶融する温度に達する前でも、熱収縮や寸法変化、変形、機械特性の変化などが生じる場合があります。
そのため、PETフィルムの耐熱性を確認する際には、「何℃まで溶けないか」だけではなく、実際の使用条件で必要な性能を維持できるかを見ることが重要です。
特に、以下のような項目を確認します。
確認項目 |
ポイント |
|---|---|
使用温度 |
何℃の環境で使用するか |
加熱時間 |
短時間か、長時間か |
熱収縮・寸法変化 |
加熱後にどの程度の寸法変化を許容できるか |
張力・圧力 |
高温時にフィルムへ力が加わるか |
繰り返し加熱 |
一度だけか、何度も加熱されるか |
実際にPETフィルムメーカー各社の技術資料でも、一定温度で加熱した際の熱収縮率などがグレードや厚みごとに示されています。 同じPETフィルムでも熱特性は製品によって異なるため、使用するフィルムの技術資料を確認することが重要です。
特に熱プレス、乾燥、樹脂成形などの工程では、基材が溶けないことだけでなく、加熱後も必要な寸法や表面形状を維持できるかまで確認する必要があります。
より高い耐熱性や寸法安定性が求められる場合には、PENフィルムやポリイミド(PI)フィルム、フッ素フィルムなども選択肢となります。
PETフィルムのメリットを整理すると、以下のようなものがあります。
透明性、強度、耐熱性、寸法安定性、電気絶縁性など、さまざまな性能をバランスよく備えています。そのため、特定の性能だけに特化した素材というよりも、幅広い用途で使いやすい汎用性の高いフィルムといえます。
ロール状で供給されるPETフィルムは、印刷、コーティング、ラミネート、スリット、エンボス加工などの連続加工に適しています。寸法安定性が高いため、加工時の品質も安定しやすい傾向があります。
PETフィルムはさまざまなメーカーから供給されており、厚み、幅、表面処理、グレードの選択肢も豊富です。用途に応じて適切なグレードを選びやすいことも大きな利点です。
PETは広く使用されている樹脂であり、モノマテリアル化やリサイクル設計の観点からも注目されています。コーティングや複合化をせず、表面形状によって機能を付与する設計であれば、環境対応の面でもメリットが出る場合があります。
PETフィルムは非常に使いやすい素材ですが、万能ではありません。用途によっては注意が必要です。
PETフィルムは腰があり、寸法安定性に優れる一方で、PEやPPと比べると柔軟性に劣る場合があります。
柔らかさ、伸び、追従性が必要な用途では、PEやPPの方が適していることがあります。
PETフィルムは汎用フィルムの中では比較的耐熱性に優れていますが、高温環境では熱収縮や変形、物性変化などが生じる場合があります。
特に加熱工程、成形工程、乾燥工程、熱プレス工程などでは、温度だけでなく、加熱時間、張力、圧力、求められる寸法安定性まで含めて評価することが重要です。
より高い耐熱性が必要な場合には、PENフィルム、PIフィルム、フッ素フィルムなども検討します。
PETフィルムの耐熱温度の考え方については、前述の「PETフィルムの耐熱温度は何℃?」をご覧ください。
PETフィルムは寸法安定性が高い反面、深い曲面や複雑な形状への追従には限界があります。
成形用途や曲面貼り合わせ用途では、フィルムの厚み、延伸状態、温度条件、表面処理などを慎重に確認する必要があります。
PETフィルムは比較的加工しやすい素材ですが、用途によってはコロナ処理、易接着処理、プライマー処理などが必要になることがあります。
印刷、コーティング、粘着加工を行う場合は、事前に表面処理の有無を確認することが重要です。
PETフィルムは、日用品から工業用途まで幅広く使用されています。
PETフィルムは、食品包装、日用品包装、医薬品包装、工業製品の包装などに使用されます。
透明性、強度、印刷適性に優れているため、内容物を見せたい包装や、意匠性が求められるパッケージに適しています。
PETフィルムは、ラベルやステッカーの基材としても使用されます。
紙ラベルよりも耐水性や耐久性に優れるため、屋内外の表示ラベル、工業製品ラベル、電気製品ラベル、注意喚起ラベルなどに使われます。
PETフィルムは、表面保護フィルムとしても使用されます。
ディスプレイ、樹脂板、金属板、建材、電子部材など、傷や汚れを防ぐ目的で活用されます。
PETフィルムは、電気絶縁性、寸法安定性、加工適性に優れているため、電子部材にも多く使用されます。
絶縁フィルム、工程用フィルム、部品搬送用フィルム、各種セパレーターなど、さまざまな形で使用されています。
PETフィルムは、製造工程で使用される工程用フィルムやセパレーターとしても重要です。
粘着材、樹脂、ゴム、塗工品などの工程で、離型、保護、搬送、間紙、セパレーターとして使用されます。
PETフィルムは、建材やインテリア用途にも使われます。
化粧シート、表面保護材、装飾フィルム、マット調フィルムなど、意匠性や耐久性を求められる用途に使用されます。
透明性や表面平滑性が求められる用途では、PETフィルムが光学部材やディスプレイ関連部材に使用されることもあります。
用途によっては、ハードコート、反射防止、拡散、マット、離型などの機能を付与して使用されます。
PETフィルムと一口にいっても、用途に応じてさまざまな種類があります。
最も一般的なPETフィルムです。
透明性が高く、包装、ラベル、保護フィルム、印刷基材、工程用フィルムなど幅広い用途で使用されます。
白色に着色されたPETフィルムです。
隠蔽性、反射性、意匠性が必要な用途に使用されます。ラベル、表示材、反射材、建材用途などで採用されることがあります。
表面の光沢を抑えたPETフィルムです。光沢・映り込みの低減、意匠性の付与、滑り性の調整などを目的に使用されます。得られる効果は表面形状や基材、加工方法によって異なります。
マットPETの作製方法や、PETフィルム表面の凹凸によって艶消し効果が得られる仕組みについては、「マットPETとは?」の記事で詳しく解説しています。
表面に離型処理を施したPETフィルムです。
粘着材、樹脂、ゴム、複合材などの工程で、剥がしやすさを持たせる目的で使用されます。シリコーン離型、非シリコーン離型など、用途に応じてさまざまなタイプがあります。
アルミなどを蒸着したPETフィルムです。
バリア性、遮光性、金属光沢、意匠性などを付与する目的で使用されます。包装材料や装飾用途などで使われます。
表面に凹凸形状を付与したPETフィルムです。
滑り性、マット感、離型性、密着防止、光拡散、樹脂転写、意匠性などの機能を持たせることができます。コーティングではなく、物理的な表面形状によって機能を付与できる点が特徴です。
PETフィルムは、用途に応じてさまざまな厚みが使われます。
一般的には、12μm、25μm、38μm、50μm、75μm、100μm、125μm、188μm、250μmなどの厚みが多く使用されます。
薄いPETフィルムは、包装材料、ラミネート、工程用フィルムなどに使われます。
中厚手のPETフィルムは、ラベル、保護フィルム、セパレーター、電子部材などに使われます。
厚手のPETフィルムは、より剛性や耐久性が必要な用途に使用されます。
厚みが増すほど、腰、強度、耐久性は高くなりますが、柔軟性や追従性は低下する傾向があります。そのため、PETフィルムを選定する際は、単に厚いものを選べばよいわけではなく、用途に応じた厚み選定が重要です。

フィルム素材を選ぶ際には、PETだけでなく、PP、PE、PVC、PI、PEN、フッ素フィルムなど他素材との違いを理解することが重要です。
素材 |
主な特徴 |
適した用途 |
PETとの違い |
|---|---|---|---|
PET |
透明性、強度、寸法安定性、耐熱性のバランスが良い |
包装、ラベル、電子部材、工程用フィルム |
汎用性が高く、工業用途で使いやすい |
PP |
軽量、耐薬品性、柔軟性がある |
包装、食品、セパレーター |
PETより低比重。OPP・CPPなど製法によって剛性、柔軟性、耐熱性が異なる |
PE |
柔軟性、低温特性、シール性に優れる |
包装、保護材 |
PETより柔らかく、熱シール性に優れるが、耐熱性は低め |
PVC |
柔軟性、加工性、意匠性がある |
ステッカー、建材、表示材 |
可塑剤や環境対応面で注意が必要な場合がある |
PI |
非常に高い耐熱性と絶縁性 |
電子部材、耐熱工程 |
PETより高い耐熱性・電気特性が求められる用途で検討される |
PEN |
PETより高耐熱、高寸法安定 |
電子、光学、耐熱用途 |
PETより耐熱性・寸法安定性が求められる用途で検討される |
フッ素 |
耐熱性、耐薬品性、離型性に優れる |
耐熱工程、離型、薬品接触用途 |
離型性、耐薬品性、耐熱性などが必要な用途で検討される |
PETフィルムは、これらの素材の中でも、性能とコストのバランスが良い素材です。
そのため、まずPETフィルムで検討し、耐熱性や柔軟性、離型性などに不足がある場合に、他素材を検討するという進め方がよく取られます。
PETフィルムを選ぶ際には、以下のような観点で検討することが重要です。
PETフィルムをどの温度で使用するかは、非常に重要です。
常温で使用するのか、加熱工程で使用するのか、短時間だけ高温にさらされるのか、長時間高温に置かれるのかによって、適切なグレードは変わります。
厚みは、強度、腰、柔軟性、透明性、加工性に影響します。
薄いフィルムは柔軟で扱いやすい一方、破れやすくなることがあります。厚いフィルムは強度や剛性が高くなりますが、曲げやすさや追従性は低下します。
PETフィルムの表面には、平滑、マット、易接着、離型、エンボスなど、さまざまなタイプがあります。
印刷するのか、粘着材を塗るのか、樹脂を剥がすのか、滑り性が必要なのかによって、必要な表面性は変わります。
透明性を重視する場合は透明PETフィルム、光沢を抑えたい場合はマットPETフィルム、白色や金属調の外観が必要な場合は白PETや蒸着PETなどが候補になります。
PETフィルムに印刷、コーティング、ラミネート、スリット、打ち抜き、エンボス加工などを行う場合は、それぞれの加工適性を確認する必要があります。
特に、熱や圧力をかける加工では、フィルムの耐熱性や寸法安定性が重要です。
工業用途では、ロール幅、巻き長、紙管径、ロット数量も重要です。
試作では小ロット対応が必要になる一方、量産では安定供給や原反調達のしやすさも重要になります。
フィルム素材の選定やフィルム課題の解決にお困りの方へ
「この用途ではどの素材を選べば良いか」「この課題にはどの加工が適しているか」など、
用途に応じてご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
PETフィルムは、用途によって必要な表面性が異なります。剥離性・滑り性・粗さ・マット感などでお困りの場合は、エンボス加工による表面設計をご相談いただけます。
PETフィルムには、さまざまな加工を施すことができます。
PETフィルムは、ラベル、パッケージ、表示材などに使用されるため、印刷加工との相性が重要です。
用途によっては、表面処理やインキ選定が必要になります。
PETフィルムの表面に機能性コーティングを施すことで、ハードコート、帯電防止、粘着、離型、防曇、親水、撥水などの機能を付与できます。
PETフィルムにアルミなどを蒸着することで、バリア性、遮光性、金属光沢などを付与できます。
包装材料や意匠用途でよく使用されます。
PETフィルムを他のフィルムや紙、金属箔などと貼り合わせることで、複合材料として使用できます。
単一素材では得られない強度、バリア性、意匠性などを付与できます。
ロール状のPETフィルムを必要な幅に切断する加工です。
工程用フィルムやテープ状材料などでは、スリット精度が重要になります。
PETフィルムをシート状や部品形状に打ち抜く加工です。
電子部材、絶縁部品、ラベル、スペーサーなどで使用されます。
PETフィルムの表面に凹凸形状を付与する加工です。
表面形状によって、滑り性、マット感、離型性、密着防止、光拡散、樹脂転写、意匠性などを付与できます。

PETフィルムは、平滑な状態で使われるだけでなく、表面に凹凸を付与することで、滑り性、離型性、マット感、光拡散性などを持たせることもできます。その代表的な加工方法の一つがエンボス加工です。
合同樹脂工業では、二軸延伸PETフィルムを中心にエンボス加工を行っております。
PETの剛性・耐熱・透明というベース性能に、表面形状(凹凸)を組み合わせることで、質感・機能の両面で新しい価値を生み出せます。
以下では、その事例についてご紹介いたします。
二軸延伸PETフィルムは、剛性や寸法安定性に優れており、工程用フィルムやセパレーターなどに使用されています。これにエンボス加工による表面形状を組み合わせることで、密着防止、滑り性、離型性、表面粗さなどの調整を検討できます。
実際の性能は、PETフィルムのグレード、厚み、エンボス形状、使用条件によって異なるため、用途に応じた評価が必要です。
二軸延伸PETフィルムの剛性や耐熱性を活かし、熱硬化樹脂への転写用フィルムや電子部材の工程用セパレーターとして検討できます。
必要な耐熱性や形状保持性は、加熱温度・時間、張力、基材厚み、エンボス形状などによって異なるため、実際の工程条件での評価が重要です。

↑PETフィルムへマット・梨地などのエンボス形状を付与することで、すりガラス調の外観や目隠し用途、光沢・映り込みの低減などに利用できます。また、表面形状によって光の反射・散乱状態が変化するため、柄によって透明感や見え方を調整できます。
指紋や汚れの見え方についても、フラットな光沢面と比較して目立ちにくくなる場合があります。
※遮熱性、断熱性、飛散防止性などは、エンボス形状だけで決まる性能ではなく、フィルム構成、粘着層、機能層、施工条件などによって異なります。

剛性のあるPETフィルムにエンボス加工をすることで、ダイナミックで立体的な形状を作り出すことが可能です。当社では、PETを含む各種フィルムへの立体的なエンボス加工実績があり、条件によっては最大約1.2mmの形状高さを形成した実績があります。
形成できる高さは、基材の種類、厚み、熱特性、柄形状、ピッチ、加工条件などによって異なります。
大きな凹凸によりフィルムに触感を付与することもでき、そのフィルムを転写フィルムとして使用することで、樹脂などの転写物に触感を付与することもできます。
上の写真はエンボスフィルムでFRP樹脂表面へダイナミックな形状を転写したサンプルとなります。
剛性のあるPETフィルムを用いるからこそ、フィルムに大きな凹凸を付与でき、そのエンボスフィルムを転写用フィルムとして用いることで樹脂表面にも大きな形状を付与できます。

紙製の工程紙や離型紙では、用途や紙種によって紙粉や吸湿、厚みばらつきなどが課題となる場合があります。こうした課題を避けたい工程では、PETなどの樹脂フィルムへの置き換えが検討されることがあります。
特に寸法安定性や耐熱性、低発塵性が求められる場合は、PETフィルムも選択肢の一つとなります。
PPやPEなどのフィルムでは、グレードや配合によって、滑剤などの添加成分が時間の経過や加熱によって表面へ移行する場合があります。
ブリードアウトを避けたい用途では、PETを含め、使用するフィルムの添加剤、表面処理、コーティングの有無を確認することが重要です。
添加剤の少ないグレードや用途に適した基材を選定したうえで、必要に応じてエンボス加工による表面機能の付与を検討します。
・光拡散/映り込み抑制:微細ランダム、梨地、マット系
・離型/セパレーター:頂点面積・谷形状の最適化、接触圧に応じた実効接触面の調整
・触感/加飾:大振幅の周期パターン、自然物模様(例:石目/木目)
・指紋・汚れの見え方調整:マット・梨地などの微細凹凸による反射状態の調整
※防指紋性・防汚性そのものが必要な場合は、基材やコーティングを含めた評価が必要
エンボス柄は、形状・深さ・ピッチによって得られる機能や質感が変わります。まずはカットサンプルで、表面形状の違いを比較いただけます。

PETは、製品構成や回収方法によってはマテリアルリサイクルを検討できる樹脂です。
ただし、実際のリサイクル可否は、フィルムのグレード、添加剤、印刷、蒸着、コーティング、粘着剤、ラミネート構成、回収方法などによって異なります。

当社のエンボス加工は、熱と圧力によってフィルム表面へ物理的に凹凸形状を付与する工法であり、エンボス加工工程で機能付与のための塗工剤や添加剤を新たに使用しません。
そのため、材料構成を増やさずに表面機能を付与したい場合の選択肢として検討できます。
なお、基材自体に含まれる添加剤や既存のコーティング等については、個別に確認が必要です。
どちらもPET、つまりポリエチレンテレフタレートを原料としています。
ただし、ペットボトルとPETフィルムでは、成形方法や使用されるグレード、求められる性能が異なります。フィルム用途では、薄く均一な形状に加工され、包装、電子部材、工程用フィルムなどに使用されます。
一般的なPETフィルムは透明性に優れています。
ただし、白PET、マットPET、蒸着PET、着色PETなど、透明ではないタイプもあります。用途に応じてさまざまな種類が選ばれます。
PETフィルムの耐熱温度は、メーカーやグレード、厚み、使用時間、荷重などによって異なるため、一概には言えません。
PETフィルムはPEやPPなどの汎用フィルムと比較すると耐熱性に優れていますが、高温では熱収縮や寸法変化、変形などが生じる場合があります。
そのため、実際に使用する際は温度だけでなく、加熱時間、張力、圧力、必要な寸法安定性などを含め、使用するフィルムの技術資料を確認することが重要です。
PETはリサイクルが検討されやすい樹脂の一つです。
ただし、実際のリサイクル性は、フィルムの構成、コーティング、粘着剤、印刷、複合材料の有無などによって変わります。モノマテリアル設計やコーティングレス設計を行うことで、環境対応の検討がしやすくなる場合があります。
はい、PETフィルムへのエンボス加工は可能です。
ただし、厚み、耐熱性、表面処理、求める凹凸形状によって加工可否や仕上がりは変わります。特に高温条件や深い凹凸を求める場合は、事前の試作確認が重要です。
滑り性、密着防止、マット感、離型性、光拡散、表面粗さ調整、樹脂転写、意匠性などを付与できる可能性があります。
用途や求める性能によって適した柄や加工条件が異なるため、目的に応じた設計が必要です。
PETフィルムとは、PET樹脂を薄いフィルム状に加工したプラスチックフィルムです。
透明性、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性、加工適性などのバランスに優れており、包装材料、ラベル、保護フィルム、電子部材、工程用セパレーター、建材、光学用途など、幅広い分野で使用されています。
一方で、柔軟性、高温耐性、曲面追従性、表面処理適性などについては、用途に応じた確認が必要です。場合によっては、PP、PE、PVC、PI、PEN、フッ素フィルムなど、他素材との比較検討も重要になります。
また、PETフィルムは印刷、コーティング、蒸着、ラミネート、スリット、打ち抜き、エンボス加工など、さまざまな二次加工に対応できます。
特にエンボス加工では、コーティングを使わずに、表面形状によって滑り性、密着防止、マット感、離型性、光拡散、樹脂転写などの機能を付与できる可能性があります。
PETフィルムの表面機能化やエンボス加工をご検討の方は、用途、厚み、温度条件、求める表面性などを整理したうえで、加工可否や試作条件を確認することが重要です。
合同樹脂工業では、PETフィルムをはじめとした各種プラスチックフィルムへのハードエンボス加工に対応しています。
「PETフィルムにマット感を出したい」
「フィルム同士の密着を防ぎたい」
「滑り性を改善したい」
「離型性を高めたい」
「コーティングを使わずに表面機能を付与したい」
「樹脂へ凹凸形状を転写したい」
このような課題がございましたら、お気軽にご相談ください。
用途や求める機能に応じて、フィルム材質、厚み、エンボス柄、加工条件をご提案いたします。
技術検討に役立つ技術資料をご用意しています
エンボス加工の特徴、対応フィルム、表面形状による機能付与、試作の進め方など、技術検討・社内説明に使える資料をご用意しています。
☑エンボス加工・受託製造
☑PET・PIなどの対応素材
☑サンプル・小ロット試作
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
今回のブログ内容はいかがでしたでしょうか。
みなさまのご参考になれば幸いでございます。
その他のブログについてもぜひご覧ください。→ブログ一覧
監修者:合同樹脂工業株式会社 代表取締役 長木 翔吾

一橋大学商学部卒。経営コンサルティング会社にて製造業を中心とした経営支援業務に従事した後、合同樹脂工業株式会社に入社。
プラスチックフィルムへのエンボス加工を主力とする同社にて、製造現場・品質管理・技術情報の統括を担う。
半世紀にわたり同社が蓄積してきたハードエンボス加工の現場知見とフィルム加工分野の技術動向をもとに、実際の製造現場に基づく信頼性の高い技術情報の整理・監修を行っている。
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