先日のブログ「エンボスとは?機能性付与や意匠性向上に役立つ“エンボス加工”の基礎知識をまとめました!」でエンボスとは?についてご紹介いたしました。
※まだご覧になられていない方はぜひ上記リンクからご確認ください。
今回はエンボス加工を施したフィルム【エンボスフィルム】がどのような素材に対応し、どのような効果があるのかなど、用途やメリットなどをご紹介いたします。簡単ではございますが最後まで見ていただけますとありがたく存じます。
【自己紹介】
表面エンボスの合同樹脂工業と申します。
合同樹脂工業は、二軸延伸ポリエステルフィルムやポリイミドフィルムなど高剛性のフィルムへエンボス加工を手掛けている会社です。素材の特性を活用したエンボスフィルムの作成を得意としており、形状+基材特性を利用し、あらゆる課題の解決へのアプローチを行っております。
エンボスフィルムとは、表面に凹凸(エンボス加工)が施されたプラスチックフィルムのことです。この凹凸により、特定の質感やデザイン効果が得られるほか、耐久性や滑り止め効果が向上します。エンボス版やエンボスロールにより形状をつけるのが一般的で、材質はポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などが一般的で、さまざまな業界で使用されています。
エンボスロールは、フィルムやシート素材に特定の凹凸パターンを転写するための金属製ローラーです。表面にレーザー彫刻やエッチングなどの工法で模様が加工され、加工機で素材を加熱しながら圧力をかけて連続的にエンボス加工を行います。耐久性を高めるため、クロムメッキなどの表面処理が施されることが多く、木目や皮革調、格子模様など多様なデザインが可能です。
当社では80種類以上のエンボスロールを所有しており、ご使用可能です。
柄一覧はこちらよりご確認ください
実は日常生活で一番エンボスされた目にすることが多い素材かもしれません。身近なところではスーパーのレジ袋に施されており、開封補助効果や湿布のセパレーターの剥離力向上目的などにエンボス加工が使用されています。
PP(ポリプロピレン)フィルムは融点、熱変形温度、常用温度がPEよりも高く、硬い材料です。ラミネート用などで使用され、紙へラミネートし、教科書表紙の意匠などに使用されています。
強靭な剛性やガスバリア性といった優れた特徴を持つポリエステル。当社が最も加工している素材になります。主に樹脂への転写用途や装飾用途、PETの強靭性や耐熱性を活用した多様な工程紙用途などで使用されております。
ポリイミドフィルムは耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、機械的強度に優れており、通常300°C以上の温度に耐えることができます。当社はポリイミドフィルムにエンボスが可能です。
右の画像はPIフィルムへエンボス加工を施したフィルムとなります。
エンボス形状はフィルムに多様な効果をもたらします。凹凸パターンにより装飾性が向上し、質感や高級感を演出可能です。また、光を乱反射させることでグレアを抑え、視認性を向上させます。さらに、滑り止め効果を持たせることで安全性を高め、傷や指紋、汚れが目立ちにくくなる実用性もあります。凹凸が摩耗を分散させるため耐久性が向上し、製品の保護性能もアップします。こうした効果により、エンボス加工されたフィルムは、デザイン性と機能性を兼ね備えた素材として広く利用されています。
エンボス加工を施すことによりフィルム表面の凹凸による表面積の向上が可能となります。深度が大きい柄ほど表面積は向上します。
エンボス加工を施すことで表面の凹凸による対象物との接地面積を低減することが可能となります。その効果で対象物との剥離性能を向上させることができます。
凹凸の付与で発生する空間により、フィルムそのものにクッション性を与えることが可能となり、緩衝材などに活用することが可能です。当社のエンボス加工では12μフィルムへ300μ以上の深さを付けることができます。
エンボス加工はその凹凸により【光を拡散・乱反射】させる効果を付与することが可能です。 表面のエンボス形状により、視覚的にモノを隠蔽・遮断する効果や、蛍光灯など光源の映り込みを防止することが可能になります。
エンボス加工による凹凸は光の乱反射を促すことが可能です。特に、深い柄は光を乱反射する能力が高く、マットや梨地などの柄は表面のフラット性をなくし、フィルムへ光の乱反射や屈折による艶消しの効果を付与することが可能です。
・光の拡散
光を乱反射させ、ギラつきを抑えたソフトな見た目を実現。
・視認性の向上
反射防止(アンチグレア)ディスプレイの保護フィルムなどで、視認性を向上。
イルミネーションなどの祭典で光の装飾などに使用された実績もございます。※詳細は光拡散効果のページでご紹介しております。
表面のテクスチャによって、光の反射をコントロールし、マットな仕上がりや特定の装飾効果を作り出します。 また、凹凸パターンがあることで高級感や独特なテクスチャを演出できる。革調やマット仕上げ、すりガラス調など多様な表現が可能です。上記写真イメージの様にエンボスフィルムから樹脂に転写することも可能です。
エンボスフィルムは、表面に凹凸加工を施したプラスチックフィルムです。装飾性(デザイン)と機能性をフィルムへ付与することが可能です。凹凸パターンにより、光の乱反射で視認性向上や艶消し効果を得られ、滑り止めや耐久性、剥離性の向上など多様な効果を発揮します。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PET)、ポリイミド(PI)など多種素材に対応可能で、建材や各種工程紙などに広く活用されています。用途に応じたデザインや機能の選択が可能です。
今回のブログ内容はいかがでしたでしょうか。
みなさまのご参考になれば幸いです。
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