プラスチックや金属、皮革、紙といった基材に凹凸を付けることで、様々な効果が得られる“エンボス加工”。商品のデザイン性を高めたり、ものづくりの生産性を向上させたりと、利用目的も多岐に渡ります。
合同樹脂工業は、二軸延伸ポリエステルフィルムなどの高剛性のフィルムへのエンボス加工を手掛けている企業です。離型性・剥離性、クッション性、断熱性、艶消し、光拡散といった各種効果をエンボス加工で付与し、窓用フィルムや工業用の工程紙などに活用されています。
今回は『エンボスフィルムの基礎知識』をまとめてみました。エンボス加工のメリット・デメリット、可能な工法などを分かりやすく解説しております。
エンボス加工は、特に紙やプラスチック、金属などの素材に用いられ、視覚的にも触覚的にも特徴的な効果を生み出します。エンボス加工には裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式があります。
エンボス加工により凹凸を入れることで、フラットでは成し得なかった離型性やクッション性といった機能面を持たせたり、また手触りや意匠性を付与することが可能となります。
凹凸があることで、製品に高級感や独自性を持たせることができます。触感も加わり、デザインが立体的になるため、視覚的にも触覚的にも魅力的です。
ロゴやデザインをエンボス加工することで、ブランドの認知度を高めることができます。高級ブランドや特別な製品によく見られる技術です。
特定のパターンやテクスチャをエンボス加工することで、滑り止め効果が得られるため、持ちやすさや安全性が向上します。
特定の素材では、エンボス加工が摩耗や傷から守る役割を果たすことがあります。表面に凹凸をつけることで、傷や汚れが目立ちにくくなります。
エンボス加工が施されていると、その製品が他とは一線を画すものと感じられるため、付加価値が高まり、消費者にとっての魅力が増します。
高品質なエンボス加工を行うためには、特別な機械や金型が必要であり、そのためのイニシャルコストが大きくなります。また、加工プロセス自体も時間がかかるため、コストが高くなることがあります。
一度エンボス加工を行うと、そのデザインを変更するのは難しいことがあります。特に、大量生産される製品では、デザイン変更が困難な場合があります。
エンボス加工に適した素材が限られています。例えば、柔らかすぎる素材や非常に硬い素材は、加工が難しい場合があります。
エンボス加工された部分は、摩耗や劣化に対して脆弱であることがあります。特に、頻繁に触れられる場所や摩擦の多い部分では、デザインがすり減ることがあります。
高度なデザインや細かなディテールを含むエンボス加工は、技術的に難しく、熟練した職人の技術が必要です。
平版エンボス(へいばんエンボス)は、印刷技術の一種です。プレート型の金型により、エンボス加工を施すことで、凹凸のあるデザインや立体感を持たせた印刷物を作成することができます。この技術は、特にパッケージデザインや広告などでよく使われています。
当社のエンボス加工はエンボスロールを使用したロールtoロールによる連続成型が可能です。「連続成型」とは、材料を連続的に加工して製品を作る方法です。このプロセスは、特に大量生産などの際に適しています。※右イメージ
材料の表面に特定の模様やテクスチャをつけるためのロール(ローラー)です。当社は約80種類のエンボスロールを所有しております。 多彩な表面エンボス柄により意匠性・過密着防止・光拡散などの機能性を付与できます。 ※右に写真はエンボスロールの写真となります。
エンボス加工の効果については多岐にわたります。まず、視覚効果として、デザインに立体感や深みを加えることで、製品の美しさや魅力を引き立てます。触覚効果も大きく、製品に独特な手触りを与えることで、ユーザー体験を向上させます。
さらに、エンボス加工は機能的効果も持ちます。例えば、滑り止めとしての機能を持たせたり、製品の耐久性を向上させることができます。また、ブランド認識を高める効果もあり、特に高級ブランドや特別な製品において、エンボス加工が一目でそれとわかるデザイン要素となることが多いです。
エンボス加工は、プラスチックや金属などの素材表面に凹凸をつけて、デザイン性や機能性を向上させる技術です。高級感や滑り止め効果、耐久性強化などの効果が得られ、ブランド認知向上にも役立ちます。その加工方法については平版やロールでの加工があり、メリットデメリットはさまざまです。
いかがでしたでしょうか。みなさまのご参考になれば幸いです。
次回のブログではエンボス加工による効果についてまとめてみたいと思います。
ブログ検索
最新記事
カレンダー
ブログ月別アーカイブ
ブログカテゴリー
タグ